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書評:『きっとうまくいく10の解決法シリーズ 内気・不安』挑戦することの大切さ

 認知行動療法というものになんとなく興味があって読んでみました。この本では、最終的な目標は「不安を感じる状況に実際に遭遇し、対処できるようになること」であると何度も強調しています。

 私たちはつい苦手なものを避けるようにしてしまいます。例えば、野菜、上司、外出、などなど。克服しないと死ぬわけではないけれど、避けることによって、損をする、失敗する、機会を逸失する。
 そういったものの克服に、この本は非常に役に立つと考えられます。

 認知行動療法、と聞くと、精神科を受診して、カウンセリングを受けて、といったイメージがあるかもしれませんが、この本では自宅で、紙とペンがあればすぐに取り組めるワークがいくつも紹介されていました。

 例えば、避けがちな状況をリストアップし、これを避けるためにとっている行動を記入するというもの。
 自らを客観視して癖や習慣に気づく、というのは、行動を変えるための第一歩。自分の癖を理解することで、同じ行動を取ったときに「あ!」と気づくわけです。

 気がつくことで、落ち着きを取り戻す。次は同じ行動を取らないようにする。どんな風に対処するか考える。実際に対処する。そんなに大したことではないと気づく。段階を追って不安を克服するためのスモールステップが数多く用意されています。

 そして、1番最後の章にはこう記されています。「完璧主義になるのはやめよう」。

・この世には、完璧でなくても問題なく生きている人が数多くいる。
・完璧でなかったとしても、大抵の場合大きな問題にはなりえない。
・わざと間違えたり、完璧ではない振る舞いをして、その結果を記録する。

 私も完璧主義的な傾向がありますが、大抵の場合、完璧になるように努力して、その結果を受け入れるようにしてきました。しかし、わざと間違えたことはありません。これを実践したことのある人はほとんどいないでしょう。 

 しかし、一度わざと間違えてしまえば、次の失敗も怖くなくなる、というのもまた事実だと感じます。例えば、いつも父親に「バカモーン!」と叱られている磯野カツオ。彼は世渡り上手で、トンチや機転に優れ、要領が良い人物です。いつも勉強せず赤点を取っていますが、どんなに怒られても「怒られるのが怖いから勉強しよう」といった不安を感じることはありません。

 私も、すこし失敗してみようと思いました。もちろんもともと完璧ではありませんが、失敗への曝露、つまり挑戦を繰り返すことが、成功・成長への一歩であると感じることができました。

 好奇心で読んでみた本ですが、意外にも発見があり読んで良かったです。

※画像はみんなのフォトギャラリーからお借りしました。ありがとうございました。 

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