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その引力、GUCCI①~下見と葛藤編~

引き続き、自問自答なファッションのお話です。

私はバッグが欲しかった。
それは例えば好きな友だちと会うときに幸せな気持ちで持てるバッグ。
サイズは小さめで、テンションが静かに上がる感じのお気に入りを見つけたいなと思った。
きっとすぐには買えないのだから、どんなバッグがあるのか調べて見に行くだけのつもりだった、そのときは。

下調べとして真っ先にサイトを見に行ったのはGUCCI。
以前お財布を購入し使っていたことがある。
そのときも、やっぱりGUCCIのサイトを見て候補を決めてお店に向かった。いざお店に行ってみるとサイトには載っていなかったお財布に魂を撃ち抜かれ、想定していた倍のお値段のものを購入した。
は~、あの抗いがたい魅力よ!
バッグはいくつか気になるものがあったので画像をスクショ保存した。

いざ下見に行かん。
私はジュエリーの販売の仕事をしていたことがあり、百貨店にそこそこの年数勤めていた。系列会社のアクセサリーの販売をしていたこともあり、トータル10年以上『売る側』をやっていた。
そしたら不思議なことに自分が『買う側』になったときに純粋に楽しめなくなりましてね、販売の経験が深まるにつれて実店舗でのお買い物を避けるようになってしまったんです。販売の仕事を離れた今も買い物はどっぷりオンラインショッピング漬けなんですわ……。(やさぐれ)

実店舗行くの、億劫だな~~~!!


しかし、おそらく、このバッグ探しの旅は自分にとってメモリアルなものになるはず……。店舗に行くという経験が大切なんだと俺の本能が囁いている。
以前買ったお財布もお店に行ったからこそ出会ったわけだし。
あといくら返品可能でも、さすがにウン10万のバッグを『見てみたいから』というだけで注文できない……。

私は高揚と一匙の憂鬱を抱えてGUCCIへ行った。
行ってみたら憂鬱は吹っ飛びました。緊張はしたけどね!

店員さん、親切です。
気さくさと品の良さとプライドを兼ね備えていらっしゃる。ありがたい。

以下、自分でお願いして見せてもらったものたち。

画像1

ディオニュソス。めちゃ格好良い。でもこれは他の誰かのためのバッグだと感じた。

画像2

ホースビット トップハンドル ミニ。可愛いし持ったときの“自分のもの”感が凄かった。

画像3

こちらもホースビット。実際に見せてもらったのはこちらよりひとまわり大きいサイズのスモール。

ホースビット トップハンドルのシリーズはとても好きな感じだった。ハンドルがあって肩掛けもできる形が良いんだなと認識。


あと、店員さんがおすすめしてくれた中で印象に残ったのが

画像4

GGマトラッセ ミニ。こんなに上品なバッグを私が持っても良いと思ってくださったのですか!? という嬉しさがあった。GGマークは苦手だと思っていたが、持つと意外と気にならなかった。

これは余談なのですが、店員さんがあるバッグ(どのバッグかは忘れた)をおすすめしてくれたときに、私に対して「華奢(繊細、だったかも)な中にもデザイン性のあるアクセサリーを着けていらっしゃるので……」と仰っていたのが物凄く印象的だった。
よくぞ……よくぞお気付きで! とびっくりしたし、セールストークの一環だとしても嬉しかった。
私はささやかなジュエリーしか持ってないが、まさにそういうものが好きで選んでいるからだ。(というか、これって服のコンセプト作りにも通じそう。さり気ない、繊細、でもよく見ると凝ってる……的な)

さて、特に気になるバッグの品番と金額を書き留めてていただいてその日はお店を後にした。


ねえ、今買ってもいいんじゃない?
正直、お店を出た直後からその声は聞こえていた。
やっぱり実物を見たら抗いがたい魅力があったからだ。
あと、価格改訂の話を聞いたからだ。

どの商品がどの程度値上がるかは未定ですが……と店員さんは仰っていた。(たぶん、分かっていても詳細は伏せないとならないのだろう)
値上がりしてもいずれ買うなら、今買ってもいいんじゃないか。
そしていちばん怖いのは、値上がりしたことによって、あの魅力的な世界を、自分とは関係のないものとして再び遠ざけてしまうかもしれないこと。それは嫌だなと思った。

そうは言っても価格改訂前の時点で既に私にとってはとてもとても高価なバッグである。
頑張れば買える。頑張らないと買えない。
それって身の丈に合ってないってことでは?

正直に言おう、このタイミングで私はとある質屋のオンラインストアでホースビット トップハンドルの、状態の良さそうなものが販売されているのを見つけていた。
この時点でどのバッグにするかはっきり決まっていたわけではないが、それは候補のひとつのバッグと同じものだったので魅力的に感じた。
しかし、お得! と無邪気に飛び付くことは出来なかったのです。

同じバッグだよ、何がダメなの??
千秋さんがシャネルのバッグのコレクションを紹介するときに「中古って言うと格好悪いからビンテージって言ってるの!」と笑顔で仰っていたのはあんなに素敵で可愛らしいのにな~。

私は実は自問自答ファッション教室の申し込みをしていた。
もし、もしも、今気になってるGUCCIのバッグ、中古で買ったら、それを持ってあきやさんやガールズ達と堂々と会える?
はっきりとNOの声が自分の中で聞こえた。
たぶん、中古が悪いわけでは全然ない。
これは自分の気持ちの問題だ。
今バッグを買うならば、実店舗で、正規の金額で買いたい。


え、買うの? 買うんですかい?

~購入と考察編~へ続く)

※記事内の商品画像は全てGUCCI公式サイトよりお借りしました

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