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糸島に行った2023/11/04~11/10の日記

2023/11/04(土)

引き続き九州旅行中です。今日は糸島へ行きました。糸島には九大のキャンパスがあるので、若者がたくさんいたり、新しい商業施設が建設されたりしていて、活発な印象を受けました。海岸に行き、打ち寄せる波を眺めました。曇っていたのですが、そのおかげでふんわりパステルカラーの海にみえて、それはそれで好きでした。

ラーメンチェーンの一蘭の工場があって、そこの見学をしにいきました。麺ができる過程が窓から覗けます。ラーメンも食べました。

夜は無隣館のオンライン講義。質疑応答の時間に「自分が偉くなって、大きなことやればいいじゃない」という趣旨のことを言われ、本当にそうだよなあと思いました。演劇はひとりではできないが、ひとりの船頭が必ず必要なもの。良い船頭は良いものを生み出せる。強くなりたい。講師である平田オリザ氏は、作家として振る舞う以上のことをして成り上がることを肯定的に捉えているように感じられて、私はそこを良く思っています。よく思う自分は特権的存在で他人のルサンチマンを掻き立ててしまうことがあるし、作品至上主義の世界で批判の対象になると思います。そういう面があることを俯瞰して見つつ、自分が良いと思うことをやっていきたいです。

2023/11/05(日)

糸島のホテルに宿泊していました。朝食を食べてから海を見に行きました。昨日は曇っていましたが今日は快晴。観光地らしく、たくさんの人が写真を撮ったり遊んだりしていました。湘南の海は開けていて、見ているとあまりの大きさに怖くなってしまうのですが、糸島は海岸が湾曲していて閉じ気味なので安心して見ることができました。

母親と博多の方へ行き、昼食を食べつつ百貨店を散策。人が多かったです。東京より都会に見える瞬間があるのはなんでだろう。建物が新しいから? 一つ一つの栄えているエリアが広いから?

夜の便で関東に帰りました。夜はマクドナルドでハンバーガーを食べました。人といるのは楽しいけど、パッと一人で食べるものを選べる自由も愛しています。

帰宅途中、家の近くで「友達を待っている」と言う男性に声をかけられて、缶コーヒーを奢られて、15分ほど立ち話をしました。ここ1年くらいで急に男性に声をかけられることが増えました。5キロほど痩せたことが影響していると思っています。怖いので大体「夫がいる」と、同居の彼氏を勝手に夫にジョブチェンジさせて防衛線を貼っています(男性のパートナーがいる人間の特権を振りかざしている……と思いつつ)。今日話しかけてきた男性は運送の仕事をしていて、これまでのルールを守らない若者が増えていることに苛立ってしまうと言う話をしていました。そして、ルールを守らない雰囲気は外国から持ち込まれているのではないか? と。外国から持ち込まれているかはさておき、自分たちが作ったルールを疑われたり、反発されたりするのは辛いだろうねと私は話しました。ルールを作る若者から、ルールを疑われる中年になることはストレスを感じるものなのだと思います。男性は会話をすることで少し溜飲が下がったようで、友人を待つために店に入って行きました。怖かったけど、話しかけられると興味が出てしまって会話してしまいます。いつか私は好奇心に殺されるのではないでしょうか。

2023/11/06(月)

会社の昼休みにケバブサンドを買って、大きな公園に行って食べました。小さな子供を連れた人、犬を散歩させる人、ピクニックをする人。今日働いていない人たちが自由に過ごしている姿に癒されました。休み時間は働くことを忘れるものに触れると精神衛生上良いな、と思いました。

夜、友人とお茶をしました。とても楽しかったです。ところで私は基本、日記では友人たちを名前ではなく「友人」と呼ぶようにしています。これは私の暮らしを書く日記であり、友人たちのプライベートを明かすものではないから。私が大変に出世をして、将来私の研究が行われたら、この日の友人は誰か、とか、このエピソードが戯曲に影響を及ぼしている、とか考察されるかもしれません。友人との手紙は書簡集としてまとめられ、死んだ私には知り得ない場所で出版なんかされるかもしれません。そんな話を友人としました。私は大好きな人たちに囲まれて生きられているので、私をきっかけに友人や家族の名前が歴史に残っていくのであれば、良いことだなあと思いました。良い歴史にするために、良い人生を送らなければなりません。

2023/11/07(火)

仕事して、ジム行って、映画の続きを見て、台本の準備をちょっと進めました。先日の旅行で少し太ってしまい残念。旅行中、車や飛行機と座ったまま移動することが多かったので、太ももの裏が固くはってしまいました。丁寧にストレッチをして伸ばしました。

昼、トイレの修理が来て、水が流れるようになりました。水洗できるトイレは大変便利です。こんな便利なものが日本中の建物にあるなんてすごいと思いました。

2023/11/08(水)

朝ごはんを食べても食べなくても、11時半になると必ずお腹が空きます。今日は13時から職場の人とランチを食べる予定で、絶対持たないと思ってブランクッキーを買い食いしました。ランチはキッチンカーで豚と鶏の炒め物が乗った丼を買いました。

一日中眠くて大変でした。頭もぼんやりします。急に冷えたので風邪気味なのかもしれません。湯船につかろうと思います。

仕事の後、脚本家のエージェンシーのかたとお話ししました。脚本家になるとはどういうことか、見えていなかった世界についてお話を聞けてとてもためになりました。よく「売れる」と私たちは言いますが、これはSomeone can sellということなんだと思いました。「買える」とも言い換えできるかもしれません。Someone can buy. 営業の方や自分自身が売り込みに行って、いいじゃないとお金を出してもらえる存在。お金を出す理由がある存在。技術と熱意のある人間はたくさんいて、誰に頼んでも一定良い結果が得られるなかで、選ばれる特徴のある存在。ああ、ドライ。でも世界のルールを知ることができて私は嬉しいのです。面白い話が聞けて、つくづく作る人間になってよかったと思います……強がりを言ってるかも。

2023/11/09(木)

仕事関連で辛いことがあり、しょんぼりしながら友人と夜にお茶をしました。シャインマスカットのショートケーキを分けて食べました。話しているうちにだんだん元気になってきました。特に、これから作るものの話をしていると活力が湧いてきます。

今日は出社をして、退勤後に会社の近くで友人と会う、という予定でした。しかし午後まで体調が優れず出社ができませんでした。体調も万全でないし、1時間かけて会社の近くに行くのは面倒と、予定をキャンセルする人もいるかもしれません。しかし私は予定をキャンセルするのが大変苦手。自分が要因だと、言い出すことを考えた時点で胸がどきどきしてしまいます。それで迷わず退勤後に電車に乗って都心まで出ていきました。今日気づいたのですが、これはASDの特性「予定変更が苦手」が表出しているのだと思います。少し先の予定の日時が変わることはストレスではないので、自分は当てはまらないと考えていました。直前に変わったり、普段とイレギュラーな時間に動いたりすると途端にパニックになりトラブルを起こすので、私は「今ここに近い予定変更が苦手」なようです。私はASDの診断は降りていませんが、その特性があると自分で思っており、最近ASDに関する本を読んでいます。するとポツポツと「進研ゼミでみた!」じゃないですが、常識からずれてしまう自分の行動が本に書かれていたことと同じだと気づく機会が出てきました。気づくと、パッと本に書かれていた人たち、そして周囲のASDの人たちが仲間になったような気になって、救われます。

2023/11/10(金)

新国立劇場演劇研修所の公演『君は即ち春を吸ひこんだのだ』を観に行きました。言葉が美しい現代口語劇で、感銘を受けました。戯曲もぜひ読んでみたいです。感染症やうわさなど見えないものが広がっていく、というモチーフを扱う作品でした。書かれたのは2014年とのことでしたが、コロナ禍を経た現代の身からすると自分に近いことに感じられました。公演には、中学・高校の演劇部で一緒だった根岸さんが出演していました。この人はちょっと特別な光を放つことができる俳優です。今回演じていた、エネルギッシュで愛らしくて、でも不安定なところのある、夢に出てくるみたいなヒロインの役はハマっていました。魅力が全部演技に生きている感じがして、観られて嬉しかったです。

家に帰ると宅配ボックスに、近くの家の荷物が間違って届いていました。歩いて持って行きました。哲学について話す時によく登場する比喩、ではない誤配! 知らない家のインターホンを鳴らし、知らない人に荷物を手渡す体験は、なんだかわくわくしました。

総括

旅行に行ったり、知らない人と遭遇したり、非日常イベントがたくさん起きる週でした。楽しかったです。

今週も日記を読んでいただきありがとうございます。来週もどうぞよろしくお願いします🏝️

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