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3年社会でも市役所見学を!そのポイント
前の記事(「ヒント帳22」)で、6年生は、ぜひ市区町村庁舎の見学をするべきだと訴えました。
今回の記事では、3年生でも市区町村庁舎の見学をすることを強くおススメします。
以下、「市区町村」を「市」と書き表します。適宜、「区」「町」「村」に読み替えてください。
1 なぜ市庁舎の見学が必要か?
「ヒント帳22」で述べたように、「市」と呼んでいる<もの>の概念は、実は子供にとってはとらえどころがなく、難しいものだからです。
3年生の社会科の知識に関する目標の中には、市役所などの主な公共機関の場所と働きを理解できるようにすることが含まれています。
映像で市役所を見せれば、市庁舎の建物は理解できますし、地図を使えば場所は確認できますが、市役所の働きは絶対に分かりません。でも、地図や「学区たんけん」「まちたんけん」で観察・調査したときに、市役所以外の公共施設である市立公園、市立図書館、市立体育館、市立博物館などにきっと「出くわし」ます。そのとき、「市」の意味が分からなくては、それらの理解が曖昧になります。「公共施設」の概念形成もおろそかになるでしょう。
さらに、消防署や警察署の連携体制の理解に「市」の具体的な概念が必要なはずです。
このことは、4年生でも同様です。「ごみ」や「水道」などの健康や生活環境を支える事業についての学習では、絶対に「市」の具体的な概念が必要です。
また、「市役所」の働きが分かってこそ、「県庁」の働きも分かるのです。
そして、この3、4年生で形成された「市」や「県」に対する見方が、前の記事(「ヒント帳22」)でお伝えした6年生の地方自治の学習につながっていくのです。
2 市庁舎見学のポイント
では、どのように市庁舎を見学させたらいいでしょうか。
具体的には、市の担当の方との相談が必要になりますが、私は、経験的に次のような見学プランがいいと思いますが、参考にしてください。
① 事前の調べ学習
事前の調べ学習では、以下のことを行いました。
・写真、地図で、庁舎の外観と位置の確認。
・市民サービスの窓口を家の人と利用した経験のある子の話を契機に、市役所の仕事の大体をつかむ。…市によっては、「キッズページ」がある。ない場合は、市役所案内図(各階のフロア案内図)が役に立つ。各部、局、課の名称を見るだけでも、市役所の仕事内容がある程度はつかめる(「水道の仕事をしているんだ」「病院も関係あるんだ」「『子ども』とか『教育』とかあるぞ」)。各課の仕事内容が書かれているページがある場合も。
・詳しく知りたいこと、観察してきたい場所決める。
② 見 学
・1階の市民サービスは通り過ぎるだけでもいいので、行きたい。市庁舎の中で最も市民に「近い」場所。
・できるだけ子供にとって身近な部、局、課に一箇所か二箇所は行きたい。部屋内を見ると、子供は、「職員室みたい」とよく言うが、それでもいいと思う。子供の見学希望場所に分散して行けたらベストだが…。
・その部、局、課の方に少しでも説明が聞けたらありがたい。私が実施した時は、担当の方が庁舎内を誘導しながら説明をしてくださった。
・各階にあるフロア図を改めて見せたい。事前に調べたことと頭の中でつながりやすくなる。
・その他、その市庁舎のアピールポイントとなる場所があれば、そこも見せていただくと印象が強まる。例えば、市の原産の木材で内装を施した食堂とか、マスコットとか。
・車椅子を利用している方や視覚に障害のある方のための配慮など、多様な市民のための設備に目を向けさせることで、「市」概念を広げる方法もあるだろう。
③ 合わせて他の公共施設の見学もする
・私の場合は、2回に分けて見学に出掛けた。
市議会場、県庁、市民会館、市民体育館の見学をした。どこも担当職員の方に骨を折っていただき、説明までしていただいた。市民会館では、たまたま公演がなかったため、舞台にまで立たせて頂いた。緞帳の上げ下ろしだけでも子供たちは興奮し、「市が市民のために造ったもの」を実感していた。
議会場で議員席に座った経験も、その後に活きる。
どうでしょうか。見学が実施できるといいですね。