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雑多でステキな景観について考える

以下にお見せする2枚の街並みの写真。
あなたは、直感的に「良い景観」だと感じますか?
写真をみて、答えてみてください。

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1枚目はベルギー・ブルージュの歴史地区。
水の都と呼ばれた中世の美しい街並みです。
計画的につくられた街並みで、なぜ良いのか、説明しやすい街並みだと思います。
例えば、建物の高さや位置が揃っていて、視線の抜けがあり、素材も統一されています。

2枚目はベトナム・ハノイの旧市街地です。
この街並みが良いかどうかは、迷いませんか?
でも、人によってはこの街並みが好きな人もいると思います。
ちなみに、僕は好きです。
ただ、なぜ好きなのか、説明するのは難しいですよね?
言葉にすると人情味があるとか、ノスタルジックとか、生活文化を感じるとか、そんな感じでしょうか?

あえて対比的に比較してみます

誤解を恐れずにあえて対比的に2つの景観を比べてみました。
1枚目のブルージュは、秩序があり、計画的で全体性があります。
一方、2枚目のハノイは、無秩序で、偶発的で、個別性が感じられる、という感じでしょうか?

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ハノイの旧市街地は、複雑系景観?

ハノイの旧市街地は、個々の生業や営みが合わさって、全体としての景観をつくり出しています。
そんな個々の活動を読み解くと、共通の行動原理のようなものが見えてくるように思います。
例えば、「通りに面して商売をしよう」「道ゆく人とコミュニケーションを取りやすく」「お客さんのいるところに移動しながら」「心地よい日陰で」などです。

相互に関連する複数の要因が合わさって、全体としてなんらかの性質を見せるシステムを複雑系といいますが、ハノイも複雑系のシステムで出来ている景観なのかなと思いました。

ちなみに美しい自然界も複雑系だそうです。
植物の光を求める、水を求める、競合しないように…という活動が合わさって美しい自然景観ができているという感じです。

思えば、計画的につくられたものでなくても、美しいものはたくさんありそうですね。

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ひねもすごろごろまちのこと #1
一日中、ごろごろと、まちのことを考えたり、考えずにころがったり。
ゆるりと書くシリーズです。


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