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広島旅行でメイド喫茶のあとに原爆ドームに行って後悔した話

去年(2019年)の夏、僕は青春18きっぷを使って広島まで旅をしてきた。
目的はシュクレにご帰宅するためである。

シュクレとはみつきさんというメイド喫茶ガチ勢オタクの方が企画しているイベント型メイド喫茶で、常設店ではなく、定期的に1日だけ飲食店を借りて営業しているお店である。
どちらかと言えばクラシカル寄りな接客で、料理も美味しく、みつきさんも他のメイドの皆さんステキで、その上、料金も良心的というオタクの夢を具現化したような本当に最高のメイド喫茶だ。

ただ、僕は一点だけ後悔していることがある。
いや、シュクレに対しては何も文句はなく、これは僕自身の行動に対する後悔なのだけど、何を思ったのか、シュクレのあと、その足で原爆ドーム及び広島平和記念資料館に行ってしまったのである。

広島平和記念資料館に行ったことがある人ならわかってもらえると思うのですが、メイド喫茶のあとに行くようなところではない。
正直言って、僕は広島平和記念資料館を舐めていた。

あの施設は原爆の悲惨さを伝えるために、展示のすべてが一切の手を抜くことなくどこまでも徹底的に、観覧した人を悲しい気持ちにさせることに特化している。
まさか、あそこまで悲しくなるとは思っていなかった。

その日、僕は宮島で鹿と戯れ、牡蠣小屋で様々な牡蠣料理を楽しみ、シュクレに癒やされ、広島のフルコースを堪能していた。
このまま資料館に行かずに夕飯にお好み焼きを食べれば、もうハッピー広島ツアーの完成だったのだけど、その日は夜までず〜んと沈んだ気持ちになってしまった。

「だったら行かなきゃよかったじゃん」という人もいるかもしれがいが、実際に広島に足を運んでしまうと、ここまで来といて、さすがに日本人として、いや、外国人だったとしても、地球人類として原爆関連をスルーするというのは、やってはいけないだろという思いになるのだ。

もちろん行ったことに後悔はない。
とても勉強になったし、日本人としてのノルマをひとつ達成したような気持ちになった。
ただの楽しいだけではなくなったことで、旅に深みが出たようにも思える。
良かった悪かったで言えば、やはり100%行って良かったし、行くべき場所だった。

ただ、何もシュクレのあとに行くことはなかったかなという後悔は正直ある。
だけど、じゃあ、どのタイミングで行くことが正解だったかと言うと、それがわからない。
シュクレの前に行けばよかったのかといえば、そんなことしたら、例えばメイドさんにオーダーを伝えてるときにふいに思い出して、ブワッと泣き出してしまっていたかもしれない。

そう考えると、きっと、もうこの悲しさは広島に行く上で避けては通れないのだろうというのが僕の結論だ。
『初めての広島』というのは、どうしたところで楽しいだけで終わらせることは不可能なのだ。
そういう意味でも、アメリカ人は本当に嫌なモノを落としたんだなと思う。

僕はたぶんまたシュクレのために広島に行くことになると思う。
「広島には大久野島というウサギさんがめちゃくちゃいっぱいいる島があるんですよ」と、メイドさんに教えてもらったので、次回はそのウサギさんがめちゃくちゃいっぱいいる島に行ってハッピー広島ツアーを完成させたい。

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