2024 Viz Games 優勝Vizを19分で作る時短Tips(テクニック編)
2024/6/12 Salesforce World Tour Tokyoにて日本初開催となるViz Gamesが行われ、我如古さん、さかぴーさん と共に出場するという大変貴重で光栄な時間を過ごすことができました。
このブログでは、Viz Gamesで作成したViz(ダッシュボード)を19分で作るために工夫したポイントやTipsをご紹介します。
データの読み解きから見せ方の決定、ストーリー構築については「思考編」にまとめてありますので、そちらと併せてお楽しみください。
Viz Gamesのルール
当日のルールはいたってシンプルで、
20分でビジュアライゼーションを作る
3分でプレゼンテーションをする
以上!
シンプルだからこそ難しく、面白さが詰まっているのがこのViz Gamesです。私は割と複雑な表現方法・チャートを選択してしまったため、まず時間内で作り切るというところで大苦戦をしていました。
ストーリーが決まり、見せ方を決めた時点で何の工夫もなく作成を始めてみたところ、35分でした(おいやる気あんのか)
19分で完成させるために
規定の時間は20分ですが、もちろん当日の緊張もありますし、予期せぬエラーや最終確認の時間を鑑みて19分で完成させることを目標に様々な工夫を始めました。
各種GIFは解説動画の中から抜粋しているので若干荒いかもです(すみません。もう再現ができませんでした←え)
↓我如古さん・さかぴーさん・たぶラジのりぴーさんとの解説動画
時短Tips1:王道!計算式コピペ
まずは世界のIron Vizでもおなじみの計算式コピペ。
これは、テキストエディットに
//利益率(計算式のタイトルに入れたい文言)
SUM([利益])/SUM([売上])
と、入れておいたものを、データペインにドラッグ&ドロップするとそのまま計算フィールドを作れるというもの。本家Iron Vizで披露されたこのTipsはもはや定番の時短Tipsですね!
<利用上のポイント>
緊張で手が震えて上手いことコピーができない
各計算式の間になるべく余白入れておくべし
失敗するとデータソース貼り付けになってタイムロス
焦らず確実にコピーすべし(上記GIFでも失敗してる)
貼り付けた計算式は消していくと間違いがない
どこまで貼ったか把握する&貼った後も考えて、タイトルにナンバリングなどしておくと良き
COUNTDの計算だけはなぜかコピペできないので、COUNTD([顧客名])*1 としておけばOK
名前に統一性を持たせておく
私はサンキーチャートで使う計算式には「S#(数字)」と入れておき、サンキーを作る時には検索窓で「S」がついた計算式のみ表示し、数字の順番に使うようにしていました
時短Tips2:カラーパレット
使用するカラーはあらかじめカラーパレットに入れておき、パレットの名前も工夫することができます。
まず、カラーパレットの名称をアルファベットで登録しておくと、そのキーを押せば飛ぶことができます。
これはTableauのSEさんに「使うカラーパレットを自動の上(つまり一番上)に表示したいんですけど!!!」と質問したところ、さすがにそこは調整ができないようで、代わりに教えていただいた超便利Tipsです。
なので、デフォルトのカラーパレットが使っていないアルファベットで登録しておけば一発で狙ったカラーパレットを選択することが可能に。
また、カラーパレット内の色順序も調整できますので「パレットの割当て」機能も踏まえて色を登録しておくことにより、1発ですべての色を変更することが可能になり、かなりの時短となります。
時短Tips3:ショートカット
まずはダッシュボードに名前付けて保存。
からの、1シート作る度に⌘+S(Ctrl+S)で上書き保存。
Tableauが落ちた場合の最悪を考えると、時間をかけてでも保存しておかねばならない。
あとはあんまりショートカットは利用しなかったかな・・。
⌘+P(Ctrl+P)でパラメーター作成くらいw
でも、覚えていると早いものはたくさんあるので、活用すべきです。
一番ショートカットを使いたかったのが「シートのコピー」。
Tableauのシート書式設定について、罫線は一括で設定できるのですが「背景色」だけは個別に設定していくしかありません。
なので、1枚のシートで背景色含めて必要な書式を設定し、コピーをしていきたかった。が、なぜかシートの複製だけショートカットがない(たぶんMacだから)
ということで、必要な書式を設定した上で、必要な枚数分複製ボタンをマウスで連打するパワープレーに走ったのでした。
時短Tips4:ダッシュボード作成方法の選択
一番最初は、
・表紙のダッシュボード
・本編のダッシュボード
・クロージングのダッシュボード
の3つのダッシュボードを作成しようとしていました。
ただ、それぞれのダッシュボードで細かい設定をしたり、コピーしたり、名称を変更したり、アクション設定をしたり・・・
とすると、もう時間が足りない足りない。
ということで、1つのダッシュボードで完結させることを決意して、動的ゾーン表示をフル活用する形式に変えたのでした。
ストーリーでも良かったとは思いますが、使い慣れてなかったので序盤から選択肢として外していました。
時短Tips5:辞書登録
これもなかなか時間が縮まらなくて半べそかきながらTableau仲間とのSlackに呟いたところ、けいたろうさんから「計算式を辞書登録しておくとか」と、ヒントをいただいたのがきっかけでした。
計算式は30個くらいあったので辞書登録は混乱するかもな・・と思ったものの、それ以外の部分で使えるのでは?ということで試してみたらこれがまぁ大成功。
本家Iron Vizでも、ラベルやフォントをテキストエディタからコピペしていたので最初はそうしていましたが、辞書登録した方が断然早い。
改行も設定しておけたので、ダッシュボードタイトルや説明部分は本当に時短になりました。5行くらいまでならちょっと挙動がおかしくなりますが、いけたので押し通しました。笑
以下、赤枠のところは全部辞書登録しておいたテキスト系。
けいたろさん、本当にありがとう・・!!!(当日も最前列で応援いただき心強かったです)
おまけ:本番環境を想定する
本番環境を事前に知っておき、なるべく似た環境で十分に練習することも時短の1つとなりました。
作業台の高さ
160cmの私が少し屈むくらいの高さだった
確認した高さよりも少し低いくらいで練習しておくと安心かも
作業台の広さ
当日立ってみた時に「想定してたより狭いな・・」と感じました
手元でも時間を測ったり、プレゼン資料用にスマホを置く or 立てかけるスペースも考慮
あまり広さはないので、マウス操作よりもキーボードのショートカット極めるか、トラックボールのようなマウス自体を動かさない準備が有効(あるいはノーマウスで作れるvizにするか(鬼畜))
画面の解像度
解像度によって作業範囲が変わるので必ず確認すべし
エラーの対処方をできるだけ考えておく
実際、当日予期せぬエラーがいくつかありました
ワークシートタイトルを消そうとするとエラー発生(なんで)
→ダッシュボードの左側にあるシートのタイトル表示を制御するチェックボックスで対応 など練習の段階でエラーに当たれば解決できますが、想定外のことが起こった時でも焦らず対処できるように、なるべく色んなパターンを試しておきましょう
まとめ
色んな時短テクを詰め込んでみた結果、35分かかっていたものを19分程度に縮めることができるようになったのでした。あとは毎日毎日練習して操作に迷いが出ないようにトレーニングを重ねるのみ。
全然時間縮まらなくて根性腐り始めてた時は「計算式コピペOKなら、計算式とか書式とか全部入れ込んだワークシートをコピペ・・・」と大会のゲーム性を完全に無視する暴挙に手を出しそうになりましたが、正攻法でちゃんと整えられたので良かったです。
結果、当日がおそらくベストスコアで18分くらいで作ることができていました。色々エラー起こったりミスしたのに不思議・・。火事場の馬鹿力というやつでしょうか。
とにかく無駄な操作をしていないか何度も見直すこと。
素直に人に聞いてみること。
基本機能に立ち返ること。
トラブった時は冷静に他の方法を考えること。
Tableauに限らず、働く上でも大事な視点を改めて考えるきっかけとなりました。
また来年以降のViz Gamesでどんな時短テクが出てくるか楽しみです!
長文にお付き合いいただきありがとうございました!
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