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事実婚で困ったことって?

 選択的夫婦別姓にまつわる議論のなかで、事実婚だと夫婦・家族だと認められない事例が出てくることがある。自分の場合、当初はいろいろ構えていたりもしたが、30年の事実婚暮らしを振り返ってみると、実はそれほど困ることに出会わずにきた。まあ、うまくすり抜けてきたというべきか。
 子どもがいないとか、職場の理解とか、周囲の条件も関係しているかもしれないが、なんとでもなるものだ。
 人によって状況は違うとは思うが、どこかで誰かの参考になればいいな、と思っていくつかの事例をメモしておく。

・手術の同意書
・入院の保証人
よく取り沙汰されるが、互いに入院も手術も経験した中で、家族として扱われなかったことはない。生命の危機に直面したら、その扱いがかわったりするのだろうか。

・生命保険の受取人
保険金の受取人になれない、というのもよく見かけるが、なれないわけではない。受取人が法定相続人と規定されていたらなれないが、個別に指定できるかどうかは保険会社による。最近は、配偶者に事実婚や同性パートナーを含むという保険会社が増えてきた。余分に書類は求められるだろうが、そこはある程度仕方がない。

・保険料控除、医療費控除
ただし、保険金の受取人に指定はできても、その契約は税金の保険料控除の対象にはならない。所得税法では、配偶者に「事実上婚姻と同様の関係・・・を含む」という記載がないので、法律婚の配偶者しか対象としていないらしい。一方で、排除の条件には含む記載があるので納得がいかないところ。
医療費控除も同様。

・住宅ローンの保証会社の審査
これも保証会社の考え方によると思われるが、とある銀行系の保証会社の審査に落ちた。住宅ローンは私が単独で借りるが、買うマンションを共有名義にしたかったからだ。法律婚か、単独名義だったら通ったと思う。これまでの生活で一番納得がいかなかった事例。
ローンは住宅金融公庫か労働金庫で可能とわかり、公庫で借りた。20年前のことだが、今はどうなっているのだろう。

・クレジットカードの家族カード
家計の買い物をまとめたら家計管理に便利だと思ったが、メインのカードは同姓の家族に限ると規約に書かれていた。キャンペーンをやっていた別のカード会社に聞いてみたところ、そこもだめだとのこと。できるカード会社もあるようだが、面倒になって、その後クレジットカード勧誘の断り文句に使っている。

 外見的に、男女がペアで左手の薬指に指輪をしていれば「夫婦」とみなされているように思う。それが見慣れた風景だからだろう。
 相続の問題は遺言書でクリアしているが、こどもがいないので、そのうち成年後見などの検討をしないとと思う今日この頃。

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