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【ガザ戦争】ではなく【ガザ・ジェノサイド】の言説を拡大せよ

ぜひ、この貴重なリンクを参照してもらいたい。国際人道法、国際人権法の立場から、パレスチナを支援する法学の専門集団が運営するサイトだ。https://law4palestine.org/law-for-palestine-releases.../

ネタニヤフ本人、国防大臣、文部大臣を含む所要閣僚たち、つまりイスラエルという国家の指揮命令系統の最上位に居る権力者たちが発してきたジェノサイドを示唆する言説のデータベースだ。

同時に、SNSで容易にアクセスできるので検索してほしいが、最前線のイスラエル兵士たちが得意げに「殺せ! あそこには無垢の市民はいないのだ!みんな吹き飛ばせ」とシュプレヒコール、そして実際に砲撃する様子のセルフィーの数々。自虐の念からではない、自分たちを鼓舞し賞賛を求める動機が明確に伺える夥しい数の投稿だ。

ここまで、国家による非人道的殺戮の「上位下達」が可視化され、そして記録される戦争が、第二次大戦後、かつてあっただろうか。

2024年1月26日、南アフリカがイスラエルを提訴した国際司法裁判所の暫定措置は、残念ながら、ガザにおけるイスラエルの所業をジェノサイドと断定するものにはならなかったが、ジェノサイドとその予防を命令したことの意味は大きい。数年かかるだろうが、最終的な国際司法によるジェノサイド認定に最初のステップとなる。ジェノサイド認定には、「ジェノサイドの意思」つまり「上位下達」の証明が決定的となる。その意味で、前述の「可視化」が有利に働くことを期待したい。

【ガザ戦争】。僕はこれまで、停戦への思いを込めて”戦争”という言い回し使ってきた。しかし、現在ガザで起きていることを表現するのに適切かどうか。「戦争」は、国家と国家の戦闘を想起させるからだ。

ガザで起きていることは、もはや「戦争のルール」としての国際人道法でその違法性が語られる「戦争」ではなくなってきている。イスラエルという世界屈指の軍事大国が、パレスチナ人という特定の”人種”を、その母子まで無差別に抹消している大量殺戮だからだ。

同じように平和への思いを込めて【Two-state solution:二国共存】を言う時も注意が必要だ。二国共存が謳われてきても、それは【for One-state reality】、つまりイスラエル国家【一強拡大の現実】をカモフラージュするための言説に成り下がってしまっているからだ。

ジェノサイド認定の早期実現のためにも、【ガザ戦争】ではなく【ガザ・ジェノサイド】の言説空間を拡大することが必要である。同時に、「二国共存」を語る時にも、【ガザ・ジェノサイド】についての前置きが必要である。

以上の問題意識で、これ以降の【ガザ戦争】の記述においては、【ガザ・ジェノサイド】に言い換える。

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