『反応しない練習』読んだ
どんな本?
心のムダな反応をなくすというセルフコントロールによるマインドフルネスの本です。2015年発行。
2500年以上前にブッダが説いた原始仏教によって根拠づけをしているのが本書の特色です。
しかし、宗教とは一線を画す、合理的な考え方を志向しています。
どんな人におすすめ?
悩みすぎて気疲れしがちな人で、仏教的な雰囲気が好きな人にはおすすめです。
内容を少し紹介
ムダな反応を起こさない
この本では、怒りや緊張、後悔といった悩みを作り出しているのは「心の反応」であるとします。そして、そういった「ムダな心の反応」を起こさないことが大切であると説きます。
ムダな反応を起こさない3つの方法が紹介されています。それは、
①心の状態を言語化する: 自分の心は疲れている、怒っている、悲しんでいる、など言葉にする
②呼吸や感触など、身体の感覚を意識する: いわゆるマインドフルネスというもの
③心の状態を分類する: 主に、貪欲、怒り、妄想のどれか
①と③は似ているように感じますが、おそらく③は心の状態を仏教的なフレームワークで分析するのだと思います。
ムダな判断をしない
また、人が悩んでしまう理由の一つは、判断しすぎることであるとします。ムダな判断をやめれば心が軽くなるはずだと説きます。
この本では、人間は判断をしたがると言います。なぜなら、判断すると分かった気になることができ、気持ちいいからである、と。
判断は頭の中にしか存在しない妄想であるから、苦しみを生むような判断を手放すべきである、と書かれています。判断を手放す方法は、先ほどの言語化やマインドフルネスと似たような方法でOKのようです。
その他
本書では他に、過去と他人は変えられない的なことが書かれています。
時折、ブッダの名言が引用されています。
私の感想
個々の文章は読みやすく、たまにグッとくるワードが登場します。しかし、マインドフルネスに関する一般的な表現、仏教用語、ブッダの言葉の引用、著者自身の体験の例示、で構成される全体的な流れが散漫で、その点がちょっと読みづらいです。
ぶっちゃけ、ブッダの教えや仏教的要素は私は不要だと思いました。しかし、そういった要素を除去すると、もうこの本の存在意義はありません。したがって、あくまでも仏教的な教えにもともと興味がある人が読めばいい本であって、そうでない人は普通のマインドフルネスの本や自己啓発本を読んだ方がいいです。
私個人は、科学的エビデンスが書かれた本が好きなので、ブッダの教えに根拠を求める姿勢が肌に合わなかったということです。
(おしまい)
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