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『フランス人は10着しか服を持たない』読んだ

単なるミニマムおしゃれ術の本ではない

てっきりフランス人のミニマムおしゃれ術に関する本だと思っていたけど、そうではなかった。そういったことも含まれるが、より正確には、シックな暮らしを送るフランス人の価値観を饒舌に語った本だった。

著者は南カリフォルニア出身の女性で、学生時代にパリへ留学。受け入れ先のホストファミリーが実は由緒正しい貴族の家系。パリでの生活を通して、フランス人の暮らし方に感銘を受けた、それまでの怠惰な大量消費生活は改めるべきと気づいた、という内容。

このホストファミリーの暮らしには憧れる

そのパリのホストファミリーは、毎日質の高い食べ物を食べる。間食をしない。食事を最大限に楽しむ
質の高い服を必要なだけ持ち、大切に着る。自分に似合う物を知っており、余計な服は買わない
時間の過ごし方も質の高さが重要。教養を重んじ、家族との時間を大切にする
確かに充実した生活を送っているなと感じた。

コンマリの本と似た部分はあるが……

この本は、コンマリの片づけ術に似た部分もあるが、コンマリのような片づけの変態の本ではない。上質で洗練された生活を志向している。
フランス流の価値観は一見気取っているようにもとられるが、気取っていると思われることを気にするなという著者の説明には説得力があった。ファッションやメイク、香水に関する記述もあり、そういったことに関心のある人は面白く読めると思う。留学時代のいろいろな失敗談がユーモアたっぷりに書かれているのが面白かった。

感想

この本に書かれているフランス流の生活を日本でしている人も一定数いるように思う。質の高いものを選んで、シンプルに生きるという方法。
しかし、今の日本では不景気や住宅事情から、この本に書かれていることを100%実行するのはもちろん難しい。あと、絶対気取っているとやっかまれる。
それでも充実した人生を送るなら、この本の方向性は正しい気はした。

なお、私が個人的にやっている「一時期流行った本を読もうキャンペーン」の一環でこの本を読んだが、文章はすらすら読めて、気分を上げてくれるおしゃれな内容で、たまに愉快な失敗話もあるので、たくさんの人に読まれたのも納得だった。

(おしまい)


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