第一夜

その願いのウラ

今日はどんな一日でしたか

思うように行かなかった
強く願っているのに今日もまた
するりとその手の中から逃げていってしまった
そんなことがありましたか

叶わない願いを思ったまま
一日を終えるのは少し寂しいですね

こんなにも願っているのに
どうして叶わないんだろう
そう思ったら
少しだけ考えてみませんか

その願いごとが現実に現れない
そのことによって
あなたは何を手に入れているでしょうか

そんなことを
ちょっとだけ見つめてみませんか

たとえば
どうしても会いたい人がいるのに全然会えない
願っても願っても叶わない
そんなとき

会いたい願いが叶わないことで
会いたい人に会えないときに
願いの代わりに
あなたは何を手にしているでしょうか

会いたい人は大好きな人
その人に自分を見られてしまう
見られてガッカリされてしまう
その恐れが現実にならないことに
あなたはほっとしている

会えないことは悲しいけれど
その一方では
大好きな人に嫌われてしまうかもしれない
という
恐れと向き合わずに済んでいる

会えないことで
心のどこかが
「良かった」と、ほっと息をついている

そんなふうに

願いごとが叶わないからこそ
手に入る「いいこと」がある

必ずある

願いが叶わないとき
あなたが手にする「いいこと」は
どんなことですか

何もする必要はありません
ただ、その「いいこと」を
ちらっとだけ
見てあげましょう
気がついてあげましょう
やさしく

叶えたい願いの裏には
実現を恐れる気持ちがあります
オモテがあるならウラも必ずありますから
願うことと
恐れることは
1枚の紙のように
一体になっているのですね

ウラにある恐れは
ただ自分を守ろうとしているだけです
だから気がついてあげる
それだけでいいのです

そっと紙をめくるようにウラを見て
目が合ったら
小さく微笑んでください
そしてまた
そっと静かに伏せてあげて

そうして床に就き
目を閉じましょう

あなたは
今日もよく生きました

おやすみなさい
よい夢を