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海から来ました。(エッセイ)

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エッセイと写真。
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#文章

書く音を聞く仕事

こんにちは、高柳しいと申します。個人事業として「エッセイ講座」なるものをやり始めて3年経ちました。今日はわたしの仕事の話をします。 この講座は友人から「ねぇ、エッセイってどうやって書くの?」と聞かれたのが始まりでした。わたし自身、エッセイの書き方を知らないままブログやnoteにエッセイを書いてきましたが、それも書きたかったから書いてるだけ、という認識。書きたいけど書けない人がいることを初めて知りました。そこで別の友人が「じゃあ書きたい人に向けて講座という形で教えてみたら?」

アフリカゾウにも、ラッコにもカナブンにも

自分の書いたものに悲しみの雰囲気があることを嫌だと思ってきた。 けど昨日初めて、こんな自分でよいのではないか、と思えた。 岸政彦さんがTwitterで紹介していた本、 カート・ヴォネガットについて書かれた「読者に憐れみを」を読んでいて、思わず線を引いた場所がある。 ヴォネガットの文章にただよう悲しい雰囲気について彼が語った部分だ。彼は「子どもの頃から悲しいことがいろいろあったから、それがわたしの作品の悲しい感じと関係があるんだろうね」と言っていた。悲しい雰囲気の文章を書いて