伊瀬ハヤテ

伊瀬ハヤテ

最近の記事

病気の話

 病気とは生体がその形態や生理、精神機能に障害を起こし、苦痛や不快感を伴い、健康な日常生活を営めない状態をいう。さっき調べた。  なるほど、と頷く。頷きながら胸の真ん中あたりを触れると内側から激しい振動を感じる。手に触れて、感じて初めてこんなにも激しいのかと思う。   これは病気だ。でもなんとか病とか、なんとか症候群とかそんな大層な名前ではない。そんなことくらいは医学方面の知識は何も持ち合わせない、なんならおばあちゃんの知恵的な、よく言えば民間伝承、悪く言えば出自不明な噂

    • 創作小説「ヒロト」

       1  ヒロトと初めて会った時、彼はひどく酔っていた。  黄金色の酒を手に揺れる地面の上に立っているように軸が安定していない。一歩踏み出すごとに帰り道を記すためにパンをちぎって捨てるヘンデルのように酒をこぼしている。しかしその足跡は小鳥ではなく無数の男たちによってかき消され、目に痛い光が乱反射するこの森で彼は迷子のようだった。  かくいう俺も迷子になっていた。今までまともにパートナーがいたことはなく、作ろうと思ったこともない。周囲に自身を溶け込ませ、一瞬の欲望を後腐れな

      • 創作小説「マジメママタナリキンサイトウナゾモリヤマ」

         1  初めまして。僕の名前は真々田賢吾といいます。  歳は14歳。ここ、戸山市立戸山中学校の生徒会会長兼3年1組の学級委員長をしています。授業の前後に号令をかけたり、クラス移動の際に人数を確認したり、運動会や文化祭などの行事がある時はクラスの意見や空気をまとめ、時には全校生徒や保護者の前で挨拶もします。めんどくさそう?確かにテスト期間中と学校行事が重なると勉強に充てる時間は減りますし、学級委員長としても少しうちのクラスについて気になる点はあります。先生からもなるべく早く

        • 創作小説「Blue Flower」

           1  うちに来る客、特に男性は決まって硬い表情をしている。  慣れない買い物への緊張と可愛らしい店内に入る恥ずかしさが原因らしい。ドアが開き、入ってきたスーツ姿の男性もまた例に漏れずガチガチだ。  彼は店内を見て回り、似ているようで似ていない商品たちを見比べ、決めようにも決めかね、結果選べず、どうしていいかわからないと言った感じで立ち尽くす。男性客はみんなそうだ。そこで店員である俺は声をかける。 「どういったご用件で花をお探しですか?」  店員といってもバイトなの

          創作小説「メロンソーダの夢」

           1  今から夢の話をするね。  少し前学校から帰ったら父さんに大事な話があるって言われてさ。親からの大事な話って大体何言われるのかは察しがつくじゃん。でも気がついてないふりして「なに?」って聞いたら、お前ももうすぐ卒業だしな、って前置きの後に「母さんのことなんだけど」って言われて。あーやっぱりかって。母さん、俺が小学校に上がる時ぐらいに死んじゃってるんだけど。え、これはガチ。病気だよ。元々身体が弱かったって。俺を産むときも大変だったってよく聞かされてた。でも父さんからは

          創作小説「メロンソーダの夢」

          僕とあとがき

          お風呂に入りながら読書するのが好きです、伊瀬ハヤテです。 気がつけば年末、あと1日で2019年が終わるんだそうです。みんな知ってた?僕は知ってた。 2019年にやったことは2019年のうちに終わらせておこうということで今年10月からこそこそと公開していたツイッター小説についてきていこうと思います。 ツイッター小説とは僕のツイッター上で公開していた短編小説です。バズり散らかしているツイッター漫画からあまりバズってないツイッター漫画まで。見て読んで研究して、どうすればタイム

          僕とあとがき

          僕が伊瀬ハヤテになった日

          いつもとタイトルの雰囲気が違うと気がついた人はどれくらいいるかな?伊瀬ハヤテです。 まずは皆さん僕のツイッターアカウントの固定ツイート(https://twitter.com/isehayate0108/status/1138092843443019777) を見てきてください。可愛いですから。 … … 見てきましたか? じゃあ話を始めます。今回は少し長いですよ。 みなさんはツイッターアカウント、何個持っていますか?僕は地元のコミュニティ用、大学のコミュニティ用

          僕が伊瀬ハヤテになった日

          僕とこぼれ話

          寝ながらお茶を飲むとだいたいこぼす、伊瀬ハヤテです。 5月6日に行われた文学フリマで買った合同誌「でも、こぼれた」をようやく読めました。 どの話もとても面白く、社会や日常、人そのものから少しだけこぼれた話ばかりでした。 その中でも特に惹かれたのがでこ彦さんの書かれた「係長とインドのなぞなぞ」というお話と、こだまさんの「ミヤケの身の上話」というお話。 これらを読んでちょっと思ったことというか思い出したことなんかを書きたいと思います。期間でいうと1828日の恋にもダブった

          僕とこぼれ話

          僕と無限ループ

          久々の更新、伊瀬ハヤテです。 僕はたぶんゲイです。 たぶんというか、十中八九そうです。 男の人の顔が好きです。身体が好きです。ちんちんもそれなりに好きです。 逆に女の人には興味がありません。 女の人の顔はほとんど同じに見えるし、おっぱいもただおっぱいだなと思うだけです。まんまんはグロいと思ってます。 でも自分でゲイって言いたくないんですよね。 ここから先はちょっとしんどいと思う人は読まない方がいいです。僕もしんどいです。 僕はゲイが好きじゃありません。 ゲイ

          僕と無限ループ

          僕と褐色の葡萄

          バイト先はパチンコ屋、伊瀬ハヤテです。 僕は2018年の4月からパチンコ屋さんでバイトをしていました。理由は2つ、お店が徒歩1分にあることとパチンコ屋特有の時給の良さです。 しかし僕はギャンブルというものに全く興味が無いのです。ギャンブルというか象徴的な大人の趣味そのものに。 酒、タバコ、ギャンブル、女...。 ぜーんぶ興味ありません。 パチンコも例外ではなく、分からないけど働いているうちに理解できるだろうと。そう思いながら今日がバイト出勤最終日です。 とうとう最

          僕と褐色の葡萄

          僕と大人

          子どもでいたい大人、伊瀬ハヤテです。 いつからが大人なの?と誰しも1度は考えたことがあるのではないでしょうか。僕はあります。答えが出せずに保留にしたままですが。 20歳になったら。自分で働いて生活し始めたら。就職したら。子どもができたら。 色々ですよね。子どもみたいな大人もいれば大人みたいな子どももいます。 ただ、20歳を過ぎたら、 僕を含めて 子どもにとってはもう立派な大人なんですよね。 大人なんだから子どもの手本にならなきゃ! なんて大層なことは考えていま

          僕と年末

          年末はもっぱらガキ使派、伊瀬ハヤテです。 年末、いかがお過ごしでしょうか。 僕は実家に帰省しています。 実家、ちょっとしんどいんですよね。 実家にいるとなんて言うんでしょう、感覚的な話なんですけど自分の無力さを痛感するんですよね。 実家を離れ、大学に通い、たくさんの人に出会い、たくさんの経験を積んで、人間として成長してきた時間がなにもかもなかった事のように錯覚するのです。 なんででしょう。 何も知らない親と過ごすから?大学の友達としばらく会えないから?子供時代を

          僕とビスコ

          好きなお菓子はアルフォート、伊瀬ハヤテです。 僕は根っからの甘党。昔から辛いものも酸っぱいものも苦手で甘いもの、特にチョコレート菓子と共に人生を歩んできました。故にぽっちゃりしています。 アーモンドチョコ、ダース、コアラのマーチ、アポロチョコ、マーブルチョコ、カントリーマアム、キットカットなどなど。 どれも大好きですが、それらとは少し違う、好きなお菓子がビスコです。 大学2回生のころまで自分の心をコントロール出来ずに何も出来ずに1日が終わる、ということが2.3ヶ月に1

          僕とビスコ

          僕と生徒会

          学生時代、生徒会活動を頑張っていました、伊瀬ハヤテです。 生徒会の所属活動時期は高校1年生の秋から高校3年生の夏まででした。 文化祭、クラスマッチ、生徒総会といった大きな行事から月に一度の全校集会やあいさつ運動など日頃からの活動にも日々勤しんでいました。 約2年間の生徒会活動、思い返せば大変なこと、辛かったこと、悲しかったこと、理不尽なこと、色々ありました。 もちろん楽しかったこともあったけど。 それはまた「1828日の恋」で。 高校二年生の文化祭、生徒会主催の企

          僕と生徒会

          自己紹介

          気がつけばクリスマスが過ぎていました。伊瀬ハヤテです。 みなさんはクリスマスプレゼント、送りましたか? 大切な人へ、もしくは自分へのプレゼントに「1828日の恋」はいかがですか? https://www.amazon.co.jp/1828日の恋-伊瀬-ハヤテ/dp/4286199657/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1545755613&sr=8-1&keywords=1828日の恋 露骨な宣伝はこれくらいにして 簡単な自己紹介をしたいと思います。

          はじめまして

          初めまして、伊瀬ハヤテと申します。 21歳。大阪在住の大学生。 アニメや特撮、アイドルが好きな普通の 男の子が好きな男の子です。 2018年12月1日、「1828日の恋」という本を出版しました。 僕が彼と出会い、男の子を好きになるまでのエッセイです。 知り合いになり、友達になり、親友になって、恋人にはなれなかった15歳から20歳にかけての片想い失恋話となっております。 ぜひお手にとっていただけたらと思います。 さて、ここまではツイッターを見ればわかることです。

          はじめまして