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アメリカのニュースを見て思うこと。

アメリカさん、荒れてますよね。どうしちゃったのかな。と思うことしきりの昨今ですが、政治的な、こうした運動、活動かな、こういうのってアメリカって結構ありますよね。

80年代の洋楽に慣れ親しんだ人ならば、思い浮かべるアメリカの社会的、政治的運動というのがあると思います。そう、PMRCです。

これ調べてみると、1985年ですね。TOP40が隆盛を迎える時ですよね。ティッパー・ゴアさん、という有名な政治家の奥様方が中心になって、PMRC(Parent Music Resource Center)という団体を立ち上げ、音楽の特に歌詞の検閲を始めます。何か問題がある歌詞を含む楽曲、特にアルバムには、Parental Advisoryというステッカーが貼られるという運動ですね。

特に問題があるとレッテルを張られた15曲というのがあって(リンクは後ほど)、わいせつ、暴力などを子供たちから遠ざける、ということをしたんですよね。当然、当時のミュージシャン連中が一斉に反対の声を上げるのですよ。この辺の詳しい話はWikiとか、音楽系のニュースサイトにまとめられていますので、是非ご一読を(リンクは後)。といっても、このステッカーが貼られたCDってまだありますし、貼られたCDはウォルマートなんかでは陳列されないとのことなので、いまだ力を持ち続ける団体なんでしょうかね。

政治的な話、特にアメリカの政治史は疎いですが、洋楽は好きなためこのPMRC運動にはそこそこ関心を持っていました。なんでこの件を話題にしたのかというと、今に伝わる、共和党と民主党の争い、また、トランプ大統領の誕生の鍵となった(と言われる)、いわゆるアメリカ社会の分断の先駆けとなったのは、このPMRCなんじゃないか、と思ったりしたんです。

表現の自由とか信仰の自由とか、身近な問題なのでしょうが正直って実感がわかないんですよね。でもね、このPMRCのおかげで、政治的な運動が、社会に影響を与える(しかも音楽にケチをつけたという負の影響)、こうしたことが往々にして起こるんだな、というのが実感できたんですよね。当時のミュージックライフにも、バーンにも、PMRCってなんだ?って記事載ってましたよね。読んだもん。内容は忘れたけど。

PMRC運動が直接的な原因で音楽が検閲されたのか、それともPMRC自体が、アメリカ社会にある、ある特定の考え方の影響を受けた結果なのか、わかりません。でも、因果が複雑な社会的な網目(人、思想、思考、宗教など)のようなものが幾重にも重なって、こうした運動が正当化されたんだろうな、と思うんです。それこそアメリカの社会、悪く言うと病巣となるんでしょうか、そういったものです(なんだそれ)。

この約20年後、2006年に、ティッパーの旦那のアルバート・ゴアがこれまた有名な「不都合な真実」を世に出すんですね。これもアメリカ社会に温暖化問題を植え付けた重要な作品と位置付けられているようなんですが、面白いことに、PMRCはレーガン大統領、このアル・ゴアさんの作品は、ブッシュ(息子)大統領の御代に出てるんです。二人とも共和党の大統領ですね。対してゴアさんは、民主党です。煽ってますよね。

今のトランプ政権でも温暖化は否定的、というどころかパリ協定破棄・脱退ですよ。トランプさん自体にも言論の問題はあるようなんですが、対して民主党も相手とする人物の発言、行動に、とてもうるさいですよね。いわゆるポリコレです。ね、いまだに続いているんです。しかも先鋭化している。

本当はアメリカ社会、政治を研究しているなど詳しい方の見解を聞きたい話でもあるんですが、当時中学の洋楽聴きはじめのニキビ野郎でも、今の社会問題の萌芽ともいえるような事件を、洋楽を通じて経験してるんですよ。深いねえ。

当時PMRCが反対にあって、潰えていたら、今はどうなっていたんでしょう。政治的な曲、社会問題を扱った曲っていっぱいあるし、なんでこういう歌詞になったんだろ、と感じるとその背景にあるものを考える切っ掛けになるんですよね。音楽で表現されたものが、結果なのか原因なのか、いずれにしろ、社会的なものを反映した何かがそこにはあるんですよ。Metalでも、TOP40ものでも。それを感覚し続ける。



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