<伊勢滞在記>今日マチ子(Kyo Machiko)

「伊勢市クリエイターズ・ワーケーション」に選出されたので、舞台女優の青柳いづみさん・編集者の金城小百合さんと一緒に1週間伊勢に滞在した。私の目的は、作品に使う資料写真を撮ることだ。とにかく数が欲しい。

11/10
3人で外宮から内宮へ。朝の外宮がすがすがしくて心洗われた。青柳さんが最近よく着ているグッチの服について金城さんがずっと質問していた。私はいつもユニクロとノースフェイスしか着ていないのでこの話題は蚊帳の外である。服について考えたくないし、考えたところでおしゃれテスト(そんなものないが)で満点はとれないので、装いについてはふだんは不審者に間違われなければ良い程度の認識しかない。webで注文できて、汚れてもわからない黒い服で、洗濯乾燥機に耐えられるものしか着ていない。でもそんな私にも分かるくらいグッチの服は素敵ですよねえ…。閑話休題。おかげ横丁から猿田彦神社、伊勢古市参宮街道資料館へ。かつてはここが日本一栄えていた通りだったらしい。夕方ホテルに戻った後、ひとりでホテル周辺の街並みを追加撮影。

11/11
金城さんがホテルで仕事の日なので、私と青柳さんとで外宮へ。せんぐう館見学。そのあと一人で河崎へ。午後、明倫商店街や宇治山田駅、新道商店街、宮町商店街などをひたすら撮影した。足が棒のよう。

11/12
二見へ。伊勢シーパラダイス。イルカとキャッチボールしたり、カワウソと握手したり、セイウチに抱きついたり。アットホームな水族館で、予想以上に楽しめた。セイウチの女の子の、大きくて暖かい背中が忘れられない…。

11/13
もういちど河崎を撮影する。家(蔵)の中にトロッコレールがひいてあるお宅を見学させてもらう。その後入ったカフェで出会ったぬいぐるみを店主の勧めで持ち帰ることになり、青柳さんにファッションアイテムとして押しつける。午後、ライフワークになっている戦跡取材へ。事務局の立花さんに案内してもらった。夕方、郷土資料を読むために図書館へ行くも臨時休館中だった。真っ暗ななか30分歩いて帰る。

11/14
朝熊山を登った。西海望さんも参加してくれた。中国の話など教えてもらう。頂上に着いたらバス停までいってさっさと帰るつもりだったのだけど、ちょうどいい時間のバスがないため歩いて下山することに。体力も根性もない私がずっと「車道に出たタイミングでタクシーを捕まえたい」と訴えていたのだけど、全員聞こえないふりで完全無視される。かつての別荘地のような廃墟あとが興味深かった。内宮に出て、餃子屋さんへ行く。

11/15
帰る日。朝、見送りにきてくれた市原えつこさんに、昼にまた会ったので一緒にランチをした。

青柳さん・金城さんと各所をまわったり、一人でひたすら資料写真を撮ったり。作ることが好きな人たちと、なんでもないことをぽつぽつと話す。本当に夢みたいな1週間だった。感染予防にかなり気を遣ってはいたけど、今できる最大限の自由を謳歌した。
 まいにち歩き回った伊勢は、すっかり自分のなかに溶け込んでいて、第二の故郷くらいに思っている。まだまだ行きたい場所があったし、変わっていく街並みも写真に撮りたい。また訪ねたいなあ。


 このとき撮った膨大な量の写真が、#stayhome日記にも度々登場している。Twitterで2020年4月から描きはじめたこのコロナ禍の絵日記は、2021年5月に「Distance わたしの#stayhome日記」として書籍化する予定である。

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https://smarturl.it/Distance_Book

いくつか、伊勢を描いたものを紹介。



今日マチ子(Kyo Machiko)  漫画家
https://twitter.com/machikomemo

【滞在期間】2020年11月10日〜11月15日

※この記事は、「伊勢市クリエイターズ・ワーケーション」にご参加いただいたクリエイターご自身による伊勢滞在記です。
伊勢での滞在を終え、滞在記をお寄せいただき次第、順次https://note.com/ise_cw2020に記事として掲載していきます。(事務局)