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あの子が愛した夜空

年末年始にかけて特にこれといって記事を書かずにいて、ようやく書くのがこの話題というのも因果なものです。
でもたぶん、今のこの気持ちを残しておいたほうがいいなと思いました。

私はホロライブではねねちが最推しなわけですが、そんなねねちの無数にあるコラボ配信のうち、ソロではあまり見ていなかった子とのコラボは色んなホロメンの新しい魅力を知ることができて実に楽しいものです。

そんななかで、ねねちが積極的にコラボでゲームをしたり歌を歌ったりする夜空メルという子は実に魅力的で、ねねちの違った一面を見せてくれるという意味でも、メルちゃん自身のことを知ることができるという意味でも、そのコラボ配信は面白いものばかりでした。

2021年5月、マリオの3Dワールドのコラボ配信。
協力プレイでありながら王冠を奪い合ったり、クッパを倒したのに時間切れでゴール直前で終わったり、終始笑いのたえない最高の配信でした。
このときに「ねねメルねるね」が正式に結成されたのだと思うんですが(配信を見直さないとはっきりしたことは言えない…)、自分がメルちゃんを「こんな子なのか!」と知ったのはこのタイミングだったと思います。

およそ1年が経過した2022年の4月におこなわれたPowerWashコラボでは、下ネタを濫用するねねちに仕方ないなあと大人ぶった対応をしつつも自分も反応してしまうメルちゃん。逆にねねちが慌ててしまうような際どいトークは、メルちゃんの素直さとねねちのようなキャラクター性への寛容さが溢れていて、ねねちが楽しそうなのが嬉しいなと感じていました。

自分の推しであるねねちが大好きな先輩というところからメルちゃんを見始めた自分は、「好きな人が好きなものを好きになる」というファン心理のようなもので、どんどんメルちゃんの魅力に溺れていったのです。

ふたりのコンビ「ねねメルねるね」1周年と称した2022年5月は、「歌ってみた」もさることながら、もはやこのコンビの伝説と化しているリズム天国のコラボがありました。
それまで、ねぽらぼ内なんかで「暴走する男子小学生」みたいな認識をされることが多かったねねちが明確にツッコミに回った姿を見て、メルちゃんのポテンシャル半端ないなと思ったことを覚えています。
ねねちにツッコミやらせるなんて、酔っぱらっためんどくさラミィちゃんくらいですよ。
気心の知れた同期以外にそういう振る舞いをするねねちが新鮮でしたし、そうさせてくるメルちゃんの凄さを目の当たりにしました。

2023年は、4月のぷよテトから偶発的に発生した「桃鈴家」が最高の出来事でした。
あれはねねちとの場外戦のためにみこちがメルちゃんを呼んだのが奇跡の始まりなわけですが、少なくともぷよテトというくくりで言うと「全員ヘタクソ」というコラボゲーム配信としてはとんでもない挑戦で、存在しているだけで無限に取れ高を生み出すみこちのおかげもありつつ、ねねちやメルちゃんの魅力が存分に引き出されて、この年に生まれたユニットとしてはトップレベルの爆発力を持っていたと思います。

ねねちにとって、同期グループであるねぽらぼは言うまでもなくとても大事な仲間だと思います。
そのねぽらぼにあって、ねねち以外の3人は、ねぽらぼ以外にも定期的に遊んだりライブのゲストに呼ばれたりするユニットが存在しています。
ラミィちゃんだったら酒呑み組ややかまし、ぼたんちゃんならすばちょこるなたん、ポルカちゃんならしらけん。
そういった、代名詞になるような「同期以外のユニット」がねねちには足りていないのではと考えていたことがありました。
ねぎゆーは公式ですし、ダスピはそこまで表での活動が多くないのと、音楽ユニット的な印象が強いので。いずれにせよ個人の感想ですが。

そういう認識をしていたので、桃鈴家はついに生まれたねねちの強力なユニットで、ねねちの魅力を他のホロメンのファンにも知ってもらえる機会だと思っていました。

事実、去年の後半に怒涛の勢いで実施されたコラボで3人の親和性はだれの目にも明らかになったと思います。
桃鈴家は「これから」のユニットなのだと思っていました。
それだけに本当に残念でなりません。

本日はメルちゃんの契約解除が発表された翌日です。
発表当日、2024年1月16日には、18時からねねちが予定通り「龍が如く」の実況配信を実施していました。
「いつも通りやろう」という意志のもとだと思いますが、その冒頭、あまりにも気落ちしているねねちの言葉に、否応なく現実というものを思い知らされました。

ねねちがメルちゃんのことをどれだけ好きだったのか、その配信を見てきた我々にももちろん理解できます。
実際のところはきっと、我々が思うよりはるかに、もっともっと強くその気持ちを抱いていたのだとは思います。
それでも、その気持ちを想像することはできます。

「好きな人が好きなものを好きになる」のがファン心理なのであれば、「好きな人が好きなものを喪失したとき、自分も喪失したように感じてしまう」のもまたファン心理です。
ひとりのホロライブファンとしてメルちゃんを失った悲しみと、ねねちのつらさを想像したときの悲しみがない交ぜになって、うまく心の整理がつけられないでいます。
だからこうして、ねねちとメルちゃんとの思い出を軸にして、今の喪失感を文章で残しておこうと思いました。

願わくば、この悲しみが連鎖しませんように。
そして、あの子と一緒に笑ってくれたヴァンパイアに、幸せが訪れますように。


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