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足利直冬紀行

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南北朝の混乱期、足利直冬は武将として北朝と南朝の間で揺れ動きながら、決して彼を受け入れることのない父親の足利尊氏を追い続けました。 最後は戦に敗れて神にも見捨てられ、隠棲地で敗残…
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足利直冬紀行①~鎌倉市東勝寺跡、足利市鑁阿寺編~

神様に見捨てられたひと 神奈川県鎌倉市東勝寺跡 2024年3月9日土曜日6時33分、東京駅発久里浜行きの横須賀線は、予定通りに地下の東京駅を出発した。 私は横須賀線グリーン車の二階席から車窓をぼんやり眺めていた。 横須賀線は新橋駅手前で地下を出て地上に出た。 日差しが明るい。 横須賀線は西大井駅、武蔵小杉駅にに停まり、横浜駅を過ぎて大船駅も過ぎると、間もなく鎌倉駅だ。 7時30分、鎌倉駅着。 鎌倉周辺の行きたい場所は複数あるが、駅を降りてすぐに散策を始めてしまうと、途

足利直冬紀行②~紀伊南朝軍征伐編~

無茶振りに成果を出しても報われない 京都(還俗して鎌倉から上洛)2024年3月23日6時6分、のぞみ101号は東京駅を定刻通りに出発した。 土曜朝の新幹線は相変わらず乗車率が高い。 しかし、私が座った3列シートの横二席は空席のまま新横浜駅を出発した。 今回の旅は二泊三日だが、天気予報は三日とも雨だった。しかし、花粉の季節は雨がうれしい。 東京駅を出た際は青空も見えていたが、静岡駅近辺から路面がぬれているのが見えるようになり、豊橋駅を過ぎたころには強い雨が降っているのを新幹

足利直冬紀行③~中国探題(鞆の浦、尾道)編~

彼は自由で幸せだったのかもしれない 今回の「足利直冬紀行」は、広島県の鞆の浦と尾道を訪問する。 私にとって尾道は初訪問であるが、鞆の浦は、昨年の11月に「花山法皇ゆかりの地をゆく」ですでに訪問をしている。 しかし、先の訪問では、鞆の浦から車であれば10分、歩くと2時間ほどかかる阿伏兎観音の訪問が目的であったため、鞆の浦はバスを降りてすぐのカフェで昼食を食べた後に沼名前神社だけ訪れて、早々に鞆の浦を立ち去ってしまった。 せっかくの鞆の浦を、たったこれだけの訪問で通過した

足利直冬紀行④~九州探題編~

あずかり知らぬところで自分の地位が大きくぶれる 新幹線で熊本へ2024年6月22日土曜日、私が乗るのぞみ17号は8時30分の定刻通りに東京駅を出発した。 今回はタイトルに九州探題とある通り、訪問先は九州である。 関東から九州を訪れるのであれば、新幹線より飛行機を使った方が断然に早くて安いのだが、事情があって新幹線で九州まで行くことになった。 わざわざ新幹線で九州まで行く事情とは、なんてことは無い、寝坊をしたのである。 本来であれば、羽田空港6時20分発のスカイマークで