【人生百年時代】人生の「無形資産」について考える。
人生百年時代、寿命が伸びる分働く期間も長くなり、生活を支える為に更なる貯蓄が必要になる。ただ、お金のような有形資産と同じくらい家族や友人、知識や健康などの無形の「資産」が長く生きていく上では重要だとLIFE SHIFT 100年時代の人生戦略(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著)では説いている。
本書では価値を定量化できないものを「無形資産と」定義づけ、さらに「生産性資産」、「活力資産」、「変身資産」にカテゴライズしている。それぞれ簡単に考察してみたい。
🔸生産性資産(Productivity);仕事に役立つスキルや知識など
誰しも仕事をしていく上で、自分なりのスキルやナレッジがあると思う。語学や会計、製造技術やマネジメントスキルなど、お金を稼ぐのに役立つ資産が該当する。「私はこれで飯を食ってます。」ということか。ただ、これからの人生百年時代、これまでフル活用してきた自分の生産性資産が使えなくなった時にどうするか。私などはまさにこの問題に直面しているのであるが、常に自分のスキルやナレッジは更新して、時流に乗る努力はしていかなければいけないだろう。″言うは易し行うは難し″で、ドロップアウトせずついていけるようなサポート体制も必要だと思われる。
🔸活力資産(Vitality);健康、友人、パートナーや他の家族との良好な関係
LIFE SHIFTでは活力資産を「幸福感と充実感を得られ、やる気を掻き立てられ、前向きな気持ちになれる資産」としている。そのためには「まず健康であって明晰な脳を保つ必要がある。」とある。要は心身の健康を保つことと理解した。
🔸変身資産(Transformation) ;自己理解力、多様な人的ネットワーク、新しい経験に対する受け入れ姿勢など。
転職や部署異動など、自発的または会社からの辞令などによりこれまでとは畑違いの仕事に着くことは誰しも経験することであろう。本書では 変化を受容する姿勢そのものを「変身資産」と呼び、また多くの移行期、多様な人的ネットワークの構築などが資産の蓄積に繋がるとしている。これらは家族や友人と異なりウィークタイズ(Weak Ties 弱い絆)な繋がりとなることで、利害関係がなく、新しい気付きを得やすいということだ。
もちろんこれらの無形資産は、金融資産や不動産などの有形資産形成の上で成り立つものであり、相互に関与している。無形資産は定量化できないが、経営指標などで出てくるBSC(バランススコアカード)のようなフレームワークが作れれば、相互関係が可視化でき自己キャリアの棚卸がしやすくなるのではないかと考える。
今回もお読みくださりありがとうございました。