見出し画像

尊敬できる父の背中を追って。「食の総合商社」のスピリットを受け継ぐ親族内承継

この記事は、​函館圏の事業承継例を紹介する「函館地域承継ストーリー​継ぐ人、継がせる人」の記事です。

今回は、道南地域で業務用食材、関連機器販売、宅配事業など展開する株式会社アキヤマをお兄様の小林周平(しゅうへい)専務とともに親族内承継する小林和久(かずひさ)常務を取材しました。1951年に函館駅前で開業した製菓材料店から始まった株式会社アキヤマ。現在は道南を代表する「食の総合商社」として地域に貢献し続けています。承継を決意された経緯や今後の展望についてお聞きしました。

【函館地域承継ストーリー#1】
株式会社アキヤマ 常務取締役
小林 和久(こばやし かずひさ)さん

戦後復興期に函館に誕生したアキヤマ


ー株式会社アキヤマについて教えてください。

小林:当社は食品卸売業をメインに行っている会社です。1951年5月に創業し、来年には72周年を迎えます。今の函館市若松町で祖父の秋山始一(もとかず)が始めた製菓製パンの店「秋山製菓材料店」が始まりで、縁あってうちの父(小林久周 現社長)が引き継ぎました。父は岡山の出身なんですけど、合縁奇縁というか、いろんなところをたどって函館の地まで来たんです。そこで先代の社長と出会って「事業をやってみないか」と。そこで一つ目の事業承継がありましたね。そこから亀田郡大野町(現北斗市)に社屋を移して31年が経ちます。現在は、南は松前町、北はせたな町まで渡島半島全域で事業を展開しています。

ー72周年...戦後すぐに創業されているんですね。

小林:函館朝市が戦後の混乱の中で闇市として始まったくらいの時期だと思います。その当時は甘味料ってすごく少なかったみたいですね。砂糖なんかはもう高級品として全然出回わらない時代。そういう時に人工甘味料のズルチンとかサッカリンだとかそういったものを東京の御徒町の製菓問屋から仕入れて、函館の駅前で商売したのが始まりなんです。

ー函館までようこそですね。

小林:そうですね笑。実際は、戦争疎開だとか当時のいろいろな状況があって、縁故のある方が北に逃れて来たというところもあったみたいです。

ー今は製菓製パンに限らず食の総合商社として活躍されていると聞きました。

小林:冷凍食品から治療用・介護用食品まであらゆる業務用食材の提供、冷蔵庫・冷凍庫や大型の調理器具なんかの関連機器販売もしていますね。2011年からは森永乳業さんの特約店として宅配事業も開始。宅配専用商品を地域に届ける仕事もしています。

<--続きは「いさり灯(び)」で>


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?