Let's 体験!!2017
PARADISE AIRの夏はワークショップの夏、今年もやって参りました。NPO法人まつどNPO協議会の主催する夏のボランティア体験講座「Let 's 体験!!」。松戸市に住む中高大学生向けに、PARADISE AIRでボランティアを行って頂く活動です。2016年の様子はこちらをぜひご覧ください。昨年は内容をばっちりレポートしたので、今年はどうやって内容を考えているかなど、企画の側から少し書いていこうかと思います。
アイデアのはじまり
個人的な話ですが、今年の2月にアイスランドに行きました。その際ふと、インスタントカメラを持っていこうと思い、旅の最中はいつも鞄の中に入れていました。今だ、と思ったらすぐシャッターを切れば良いし、充電が切れる心配もない。とにかく気になるものはどんどん撮っていく。
旅を終えて、現像に出したらそこに写っていた景色にとても驚きました。久しく、プリントするということも行っていなかったので目の前に色となって浮かび上がった景色がとても貴重なものに思えたのです。同時に、過ごした時間をあとから振り返って愛おしくなる。写された一枚からいつでもその時に戻れるような気がしたのです。光が粒子となって隅々まで現れたその写真にいたく感動して、それ以来いつでも鞄にはインスタントカメラを忍ばせています。
写真|昨年滞在してくれたフローレンスとプリンを訪ねたアイスランド
最近ではまたインスタントカメラがブームになっていると聞きます。フィルムの質感が、エフェクトでは出せない味があるのだとか。古さのなかに新しさを見つけてそれがきっと今の若い世代には新鮮なのかもしれません。撮ってすぐに見られないって、すこしワクワクしますよね。あとはプリントすると目の前にかたちとしてしっかりと浮かび上がり、写真が持っている力を感じさせます。
PARADISE AIRの日常も最近ではインスタントカメラで撮り始めました。
「フォトジェニック」と言う言葉をご存知ですか?
写真写りがいいことをよく差します。フォトジェニックの語源を調べるとギリシャ語で「光がつくりだすもの」と言う意味があるそうです。
その一瞬をシャッターで切り取る。今が一番いいと思った瞬間。今回の体験ではそのテーマを投げかけてみようと考えました。それを地図にしてみんなに発表して、最終的にはZINE(雑誌)のようなものに残そうと思ったのでした。
昨年は松戸の街の案内をする、ということでしたが今年は上記が加わってハードルがより一層あがる!みなさん、大変だったと思います。でも、きっと出来るんじゃないかな、と思っていました。PARADISE AIRっていうよくわかんない団体に応募してくれた勇気がもうあるのだから、いけるでしょう、と。
ですが、やってみると案の定大変で(笑)そもそも初対面のアーティストもいるし、彼らとのコミュニケーションもうまくいかないし、そんな地図を作ると言われてもいつも住んでる場所だし…やること盛り沢山です。大人でも大変だと思います。ただ、簡単にはしたくなかった。要素は多いですが、もしかしたら何かを見つけてくれるかもしれない。その着火点を少し多めに用意したら、盛りだくさんになってしまったのが反省すべきところです。
きっと一つの答えをだすことは学校の中でもたくさんしていると思います。テストやこの先の進路、課題、部活など、同じことをやって評価を得る。もちろんそれも必要です。でも僕が感じてほしいと思っているところはそれ以外の部分。今すぐに答えが出ないことも、たくさんあるということ。
そして、私達が当たり前だと思っているものは他の誰かにとっては、可能性を秘めているものかもしれないということ。もちろん、この2日間の体験でそれに気づくことは難しいです。ただ、物事を色んな面で見てみると、いかに私達が見ていた部分がほんの少しだったというのに気づきます。
いつも見ている私達の景色って?視点って?それをどう人に「伝える」ようにするか。何の変哲もない公園やお店だって少し見方を変えてみる。そうしたら、見えてくるものが各々絶対あるはずなのです。
写真|参加者の学生さんが切り取った景色
この体験を通して、改めて自分の中の課題に気づいてもらいたい。英語をもっと勉強しよう、人前に立つのがやっぱり苦手だな、この街はやっぱり面白くない。いい意見も悪い意見も、やってみることで見えてくる。そういった疑問や課題を解いていって欲しい。答えは今すぐでなくても、1ヶ月先でも、10年先でも、もしかしたらずっと見えないかもしれない。
僕は映像をやっていますが、高校生の時に出された予備校の課題をいまもずっと解いている感じです。10年以上経っても出ない答えもあります。
このワークショップを考えている大人の私達だっていつも手探りです。ここは良かったかな?ここはもっと改善しよう。その作業に終わりはありません。やらないという選択肢もあります。でもなぜか、やらなければいけない、という衝動に駆られます。
「いつも新しい目で」
いつも新しい目で、という言葉を僕は参加してくださった皆さんに贈ります。いつだってちょっと待てよ、と考えてみて下さい。そうしたら何かが変わるきっかけになるはずです。新しいアイデアが生まれるかもしれない、世の中の見方が変わるかもしれない。もちろんいいことばかりではありません。時には嫌なことも見えてきます。でも、めげずにたくさんのものを見て欲しい。世界を知ってほしい。世界中はいいことばかりではありません。けれども、何かを変えるきっかけは日常にいくらでも落ちていると信じています。いつも新しい目で、ぜひ世界を見つめて下さい。
みんながいま何を見ているのか。それを今回僕は一番見たかったのかもしれません。15歳位離れている僕とみんなではもちろん興味も、見えているものも違います。そこが面白いところです。お互いに知り合える。そんな経験、大人になってみると意外にないものです。彼らから得るものもたくさんあります。その違いをまずは考えてみることが、知ることの第一歩。LEARN Programではそこが重要です。なので、トライ&エラーの繰り返し。でも、それこそが大事な部分でもあります。
みんなが作ってくれた今回の地図はじっくり編集して冊子に残そうと思います。残すということもLEARN Programではしっかり取り組んで次につなげます。さてさて、来年はどんな体験が待っているでしょうか。
おまけ|今年も献灯祭りに行きました。直前のゲリラ豪雨の影響で流せないかも…と思いましたが地元の皆様のご協力で今年も無事坂川に流せました。ありがとうございます。ショートステイで滞在中のオーストラリアから来たトーマス、ロングステイで滞在中のカナダからミンウー、ドイツからクリストフの3名のアーティストで行いました。昨年はにぎやか女子3人組でしたが今年はちょっとおとなしめのメンズ3名でのレッツ体験でした。来るアーティストによって雰囲気がぜんぜん違うのも毎回の醍醐味です。ただ、やっぱりプリクラは最強です。盛り上がります。
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