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ビデオグラファー。PARADISE AIRエデュケーター/コーディネーター。映像編集をメインに、プロジェクトベースで企画から映像制作に携わり活動している。https://isaokanemaki.com/

マガジン

  • 動くひと、

    映像のこと、 松戸にある芸術家滞在施設「PARADISE AIR(パラダイスエア)」のこと、 そのほかのこと、 名のもとに、動く日々。

最近の記事

POWERS OF TEN の EDITORS OF TEN

アーティスト・イン・レジデンス「PARADISE AIR(パラダイスエア)」では、国内外の様々なアー ティストを松戸に招へいし、その作品制作や発表を支援しています。2013年に最初の滞在アーティストを迎え入れてから、2023年5月末をもって設立10周年を迎えました。 それを記念して、10年間のあゆみをまとめたアーカイブブック「POWERS OF TEN(パワーズ・オブ・テン)」をこのたび出版しました。 10年をまとめたアーカイブブック。もちろん読者の皆様に色んな角度からみて

    • Gratitude

      旅に出ると、ふと耳にした曲や昔からよく聴いている曲がその旅のテーマソングのようになる。そして、その曲を聴くたびに聴いていた場所を断片的に、ふっと思い出したりする。 今回の旅のテーマはBenjamin Francis Leftwichの“Gratitude”という曲。ケルン滞在中、本当によく聴いていた。幸運にも現地でライブを見る機会があり、もっとこの曲が好きになってしまった、というのが正しいだろう。​ 彼の曲はシャッフルしていたSpotifyで “4AM in London

      • 世界のアーティスト・イン・レジデンスから| 台湾編 1

        台湾にあるアーティスト・イン・レジデンス"Bamboo Curtain Studio"(以下BCS)は活動開始から今年で25年を迎える。5年おきにアニバーサリーとしてこれまでの活動を包括するようなイベントを開催しており、今回ゲストスピーカーとして日本からPARADISE AIRが選ばれ、台湾でプレゼンテーションとワークショップを行ってきました。2回に分けて今回の滞在の報告をします。25年を迎えたBCSと7年目を迎えるPARADISE AIR。今回はBCSの紹介とともに、彼らの

        • re:member

          2016年から僕はロングステイプログラムの映像を作っています。 松戸で過ごした日々を、たっぷりと詰め込んだその映像は、スタッフ間では「バイバイ動画」と呼ばれ、いつもはアーティストが帰国する日や、帰国したあとにそっと、動画のリンクをアーティスト本人に送りつけています。 外から見たら活動の記録として毎年作っていると思われているかもしれませんが、実は僕にとってこれらの映像はアーティストに向けたプレゼントなのです。そう、ただ単に個人的なエールを贈るものとして映像を作っています。結果

        POWERS OF TEN の EDITORS OF TEN

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        • 動くひと、
          11本

        記事

          Let's 体験!!2017

          PARADISE AIRの夏はワークショップの夏、今年もやって参りました。NPO法人まつどNPO協議会の主催する夏のボランティア体験講座「Let 's 体験!!」。松戸市に住む中高大学生向けに、PARADISE AIRでボランティアを行って頂く活動です。2016年の様子はこちらをぜひご覧ください。昨年は内容をばっちりレポートしたので、今年はどうやって内容を考えているかなど、企画の側から少し書いていこうかと思います。 アイデアのはじまり 個人的な話ですが、今年の2月にア

          Let's 体験!!2017

          LONGSTAY Program 2016を終えて

          今年度のロングステイ・プログラムがアーティストの帰国をもって無事終了しました。これから、ドキュメントなど活動のまとめの作業もありますが、ひとまず大きな区切りを迎えたような感覚です。写真や映像で記録をしていてやっとクランクアップしたような気分、とでもいいましょうか。 「START」という公募テーマを掲げ、今回一体何がスタートできたのか。テーマを掲げた自分に問います。実際に準備やテーマ出しから数えると昨年の春から動いていたので、いろいろな感情が入り混じります。何がよかったのか、

          LONGSTAY Program 2016を終えて

          Let's 体験!2016

          この夏、はじめて中高生向けにパラダイスエアの活動を体験していただくというワークショップ企画「Let's 体験!2016」を行いました。 いつもアーティストがやってくるたびに私たちスタッフが松戸の案内をします。生活に必要なスーパーやお気に入りの場所、公園、江戸川、飲み屋さん、紹介する場所はスタッフによりそれぞれで、その違いこそが実は面白いところです。いい意味でムラがあり、その人が何を松戸で重要としているのか。それがルートから浮かび上がってくる気がしています。ちなみに僕は必ず松

          Let's 体験!2016

          江戸川

          松戸の境には江戸川が流れている。広々とゆったりとした川の流れ。ウォーキングやサイクリング、釣りなど思い思いの時間を過ごせる。個人的には夕暮れの時間、街の景色が緩やかにオレンジ色に染まっていく時間に水門のちょっと高くなった場所から景色を見渡すのが好きです。スカイツリーも見え、新しい橋、振り返れば松戸の街並。ぐるりと見渡して、鼻歌でも歌いながらあてどなく歩く時間がお気に入りです。 今回は江戸川で行った2つの活動を紹介します。まずはひとつめ。 4月のこととなりますが、ノルウェー

          START

          PARADISE AIRではロングステイ・プログラムという約3ヵ月松戸に滞在し、制作を行うプログラムを毎年行っています。今年度のアーティスト1名を8月29日に公開審査会にて最終決定します。決定してからこの話題は書こうと思ったのですが、決まっていないワクワクした状態でやっぱり書いてみようと思います。 まずアーティストの応募にあたり、毎回テーマを設定しています。過去には「HEAR」「HERE」「PRESENT」などのテーマがあり、それを基に総合的に判断しアーティストを決定してい

          テレポーテーション・マシーン

          「あなたは今、自由に何処でも行けるとしたら、どこにいきたいですか?」 フランス出身でベルギー拠点のアーティスト、マリリン・グリマーの作品に参加するにはまず、上記の言葉からはじまる。 この質問から参加者は自分の行きたい場所を考え、簡易的な撮影セットの組まれた写真ブースに立って写真を撮る。写真ブースは屋外に設置されているが背景はただの緑の布。そこに「行きたい場所」はない。そう、参加者はあたかもその場所に行っているかのような演技をし、写真を撮る。最終的に合成技術を使ってまるで瞬

          テレポーテーション・マシーン

          ギフト

          6月にアメリカのフィラデルフィアからタッド・セーが松戸に滞在した。 彼はアニメーションを主に用いて作品を制作する作家で、今回の滞在中日本の贈り物に関してリサーチをし、そこから新作のアニメーションを作る事に挑戦した。 包装紙で綺麗に包んで、特別なときに渡すもの、贈り物。誕生日、記念日、季節のご挨拶、お世話になっている人へのお土産などこれでもかというくらい私たちは他者に贈り物を送る文化の中で生きている。 タッドはとにかくそのことが自分の目には不思議に映る、と言っていた。きれい

          Interstitial

          Interstitial-〔鉱物の〕割れ目の、裂け目の〔人体の〕間質(性)の、間質内の、侵入型の、組織内の、介在の、介在性の、中間部の 辞書ので引くと今回のタイトルは上のような言葉が出てくる。要するになにかとなにかの「あいだ」のようなものだ。ただ、なぜこの単語を選んだのか引っ掛かった。「あいだ」を示すもっと簡単な言葉があるはずだ。 間質という普段聞き慣れない日本語の意味を調べてみた。 -臓器のうち、その臓器の機能を直接担っている部分(実質)以外の組織のことである。 血管

          Interstitial

          千駄木ダンス、100回によせて

          千駄木ダンスがめでたく100回目を迎えました。千駄木ダンスを始めてから約3年、踊っている自分は毎回毎回、何の気負いもないので積み重なったら100回になった、というのが本音です。でも数字にするとその重みと浅いながらも時間の流れについて考えてしまいます。 なぜ、千駄木ダンスをやろうと思ったのか。答えはシンプルです。踊り続けたかったから。ドリフターズサマースクールというひと夏のワークショップで出会った私達。それはひと夏でダンス公演をつくるというワークショップでした。夏のひとときを

          千駄木ダンス、100回によせて

          公園

          子供の頃は砂場遊び、ブランコ、かけっこ。大人になってからはダンスを踊る、ベンチにただぼーっと座る、ただ横切る。 ふと、自分は公園というものを定型文のような使い方をしてこなかったと、文字にして思う。いや、みんなそうか。それでも公園という場所は、避けては通れないものである。何かしら誰の記憶の中でも公園にまつわる出来事はあるだろう。今回のコーディネートはちょっと個人的に不思議だった。当たり前、と思っていた景色はどうやら違ったようだ。それを気づかせてくれたのはアーティストだった。見

          はじめに

          2016年4月より、松戸である芸術家滞在施設「PARADISE AIR(パラダイスエア)」にてエデュケーターとして活動することとなりました。 パラダイスエアは2013年からスタートし、松戸駅前のパチンコ店「楽園」の上層階にあります。「楽園」の協力を得て、元ホテルだった遊休空間を使用して運営しているというなかなかユニークな施設です。詳細や、活動の履歴はホームページでご紹介しています。ぜひ、ご覧ください。http://paradiseair.info/ このノートでは、パラダ

          はじめに