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START

PARADISE AIRではロングステイ・プログラムという約3ヵ月松戸に滞在し、制作を行うプログラムを毎年行っています。今年度のアーティスト1名を8月29日に公開審査会にて最終決定します。決定してからこの話題は書こうと思ったのですが、決まっていないワクワクした状態でやっぱり書いてみようと思います。

まずアーティストの応募にあたり、毎回テーマを設定しています。過去には「HEAR」「HERE」「PRESENT」などのテーマがあり、それを基に総合的に判断しアーティストを決定しています。今年は「START」という言葉を選びました。公式の応募テーマに関する説明文は以下です。

新たな始まりを予感させる今回のテーマは 3 つの複合的な意味を持ちます。本年より新たな体制で運営をする PARADISE AIR の新しい「始まり(START)」、そして現在まで私達の活動は 4 年目を迎え、松戸の街に様々な国や地域からアーティストを迎え入れました。その成果が少しずつ「星 (STAR)」のように輝きはじめています。そして、また今年「芸術 (ART)」によってあなたが創りだした星が松戸でつながり、星座のように新たなかたちを紡ぎだすことでしょう。世界の国々とつなぐ街を目指す松戸の街でたくさんの輝く星を見つけて下さい。それらを結び、かたち作ると私達がまだ見ていない発見があるかもしれません。「START」という言葉の中からあなたならではの視点で街と人と、今を描きだしてください。

上記の通りですが「START」になるまでの言葉探しをちょっと補足で。

ロマンがあるものを —テーマを考え始めた時にそんな想いが漠然と頭にありました。ワクワクすることをテーマにしたい。何かに思いを馳せるような気持ち。それこそ、PARADISE AIRの体制もちょうど新しくなり、何かを予感させる、やってくるような感覚。もちろん、このロングステイ・プログラムのアーティストも、決まるまでは誰がやってくるか分からない。やってきてからもどういう作品が出来上がるのか分からない。期待も不安も入り混ぜた「ワクワク」というアイデアをバシッと表す言葉をテーマにしよう。それがすべての始まりでした。

ロマンといったらなんだろうと考えていた時に、まだ解明されていない宇宙や星のことを考えてました。加えて、松戸にプラネタリウムがあることが前から気になっていました。ちょうど、無人探査機「ニュー・ホライズンズ」による冥王星接近時の鮮明な写真などが公開され、謎に包まれていた天体が少しずつ解明されていくニュースを見て、これこそ考えているワクワクに近い事に気がつきました。まだ見ぬものにロマンを追い求める冒険心のようなもの。もしかしたら今の時代にはそんなものはかっこいいと思われていないかもしれない。でも、そんな熱量を今の時代で感じ取りたい。新しく何かがやってくるワクワクをアートで感じ取ってみたい。シンプルに言えばそれが大きな理由かもしれません。

STARTという言葉はたくさん言葉を出した中で、後半にスッとでてきました。その文字を見た時にARTが入っていた。STAR=星もあった、ST=道もあった、STA=駅もあった。街のこと、何かをつなぐような星のこと、アートのこと。考えていた事がすんなりとひとつにまとまった単語でした。

宇宙探査機ボイジャー1号は、太陽系を抜け、まだ見ぬ空間へと突き進みます。そんなボイジャーのように選ばれたアーティストには冒険的な旅をこの松戸でスタートしてもらいたい。ここまで、星の話題が多かったですが、あくまでこれはテーマを探す上でのアイデアの話。要するに松戸でワクワクさせてほしいな!という期待を込めた言葉、それが「START」です。

さてさて8/29(月)にどんなアーティストが決まるのか。いよいよ始まります。


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