There is no greater love ジャズスタンダード深堀り : リズムラボ

 さぁ!今回も深堀りしてきましょう!
 今回の記事のお題は "There Is No Greater Love "。
 この曲は、1936年にアメリカ合衆国の作曲家でサックス奏者・バンドリーダーでもある Isham Jones(アイシャム・ジョーンズ)が作曲。アメリカ合衆国の作詞家 Marty Symes (マーティ・サイムズ)が作詞したジャズ・スタンダード曲として作られた曲です。


歌詞から見る There is no Greater Love

There is no greater love than what I feel for you
あなたへ抱くこれ以上の愛はありません。
No greater love, no heart so true
これ以上の愛はない、これ以上の真実もありません。

There is no greater thrill than what you bring to me
あなたが私に与えるスリルほど刺激的なものはありません。
No sweeter song than that you sing to me
あなたの歌以上に甘美な歌はありません。

You're the sweetest thing I have ever known
あなたは私の人生で出会った誰よりも甘美な人。
And to think that you are mine alone
そして、あなたが私だけのものだと思うと、

There is no greater love in all the world; it's true
この世で一番の愛、それが真実です。
No greater love than what I feel for you
あなたを愛する以上の愛は、他にありません。


ドラマーで見る There is No Greater Love

 さて、それではドラマー達の演奏をみていきましょう!

Max Roachのライブ録音

 静かに、力強く、しっかりとしたスイング感をブラシで演奏しています。
 サイドマンとしての彼の仕事を感じるドラミングです。


Jo Jonesのスタジオ録音

 イントロのドラムを用いたメロディが、他楽器との和音を奏で、静かにハネるリズムで彩られたスイング感でグループ全体を彩っています。ジョーのこの演奏のフレーズからは「引き算の美学」を感じます。


Elvin Jones のスタジオ録音

 軽快なテンポ感で、踊りを想像しやすいグルーヴ感。エルビンらしいハネを感じる録音です。


Ed Thigpenのライブ録音

 ブラシの名手の演奏は今回も健在。この録音からは特にフットハイハットのビートの気持ちよさが際立ちます。エドのブラシの表現力は素晴らしく素敵ですね。


Tony Williamsのライブ録音

 ブラシで脈々とビートを出し、レガートでグループを煽るトニーらしいフレーズが満載の録音です。


Buddy Richのライブ録音

 バディらしいドラムイントロから展開していくドラムのメロディはどれも繊細で、左足ハイハットの表現力やブラシでのドラム・シンバルの繊細な音色がこの録音はバディのものだ!と感じさせてくれます。


おわりに

 今回はジャズスタンダードとして1930年代に生まれたThere is no greater love を深堀りしてきました。
 この曲も多くのジャズ音楽家たちによって演奏され、当時のジャズ音楽家たちの仲間意識を感じます。皆でジャズの発展を願い努力し続けた。だからこそ80年経過した今でも当時の曲を演奏する人がいる。
 過去の音楽家の行動によって育まれた音楽を享受しているのだなぁと、深堀りをするたびに感じます。

 ジャズもそうですが、文化を育む事に人生をささげたすべての人に感謝しています。

支援したい!と感じていただけたら幸いです。 貴方へ良い影響が一日でも早く届くようにサポート頂いたお気持ちと一緒にしっかりと活動を通じて貢献していきますね!