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LaTeX と軽量マークアップ言語 (「組版」ってそういうことか!)

LaTeX は
    軽量マークアップ言語ではない、
    豪華版、機能が非常に多い、マークアップ言語、
という程度の理解でいたが、

今回、ひょんなことから LaTeX を使ってみて、
大きな違いは「空間をあやつれる」ことなんだなぁ、
と「なるほど、わかった」体験をした。

LaTeX が相手にするのは主に、本、レポートなど「紙」で、
紙には当然、空間的な制約(例えば A4紙 など)があり、
その空間を「あやつる」機能を LaTeX は非常に多く備えている。


ちょっと感動した機能として「\vfill」というのがある。

例えば、4つの計算問題(2の段のかけ算)を、紙にバランス良くならべるには「計算問題+\vfill」をひと組として、これを4組記述すればいいだけだ。

\documentclass[paper=a5paper,fontsize=20pt]{jlreq}
\begin{document}

\begin{enumerate}
\item $2 \times 1$
\vfill
\item $2 \times 2$
\vfill
\item $2 \times 3$
\vfill
\item $2 \times 4$
\vfill

\end{enumerate}

すると以下の結果が得られる。

さらに、計算問題を5つ増やして、合計9つの計算問題をならべるには「計算問題+\vfill」という組を5つ追加するだけでいい。

\documentclass[paper=a5paper,fontsize=20pt]{jlreq}
\begin{document}

\begin{enumerate}
\item $2 \times 1$
\vfill
\item $2 \times 2$
\vfill
\item $2 \times 3$
\vfill
\item $2 \times 4$
\vfill
\item $2 \times 5$
\vfill
\item $2 \times 6$
\vfill
\item $2 \times 7$
\vfill
\item $2 \times 8$
\vfill
\item $2 \times 9$
\vfill
\end{enumerate}

\end{document}

すると以下の結果が得られる。

この \vfill はいささか極端な例で、このようなテスト問題ぐらいしか用途はないかもしれないが…


ひるがえって、軽量マークアップ言語は
基本的には、紙のような空間的制約はなく、伸縮自在のウェブページを相手にすればよい。
たまに紙に向き合うことがあっても、紙、ページはほとんど意識せずに、ページの端まできたら、改ページするだけだ。


「そうか!これが「組版」ということか!」

わかっている人には、「最初から「組版」という言葉とともに LaTeX を説明していたじゃないか!」と突っ込まれそうである。

ようやく「組版」という言葉の意味が腑に落ちた…

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