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エッセイ集 『仔牛の涙』より  『また、一つ歳を越えました。」

エッセイ集 『仔牛の涙』より 

 『また、一つ歳を越えました。」
                       2021-10-7
著:夢 明日香

一つ歳を重ねると
気にしていなかった想い出を掘り起こす

一枚のフォトグラフィーは
歩んできた記憶の入口

少し旅に出てみよう

笑っいる顔
歌っている顔
流石に泣いている顔は無いが…

あの時の空の色は何となく思いだす

不思議なもので
季節の風の匂い、そよ風、強い風
空気の冷たさ、温かさに

僕の記憶は
あっと言う間にあの日に
タイムスリップしている

最近は
こんな時間が多くなり
楽しんでいる

幼き日の思い出は
一枚も残っていない

引っ越しの時の手違いで
アルバムを失ってしまった

でも
僕の頭の中に
しっかりと写し出る
昨日の出来事みたいに

空の色、空気の匂いまで
くっきりと

今は
動画の世界
会う事が出来ない未来の子(きみ)と
語り会えると良いなぁ

僕のフォトグラフィーは増えてゆく
季節に合わせて

強い身体で生まれて来たのは
ご先祖様のおかげ

自分の身体の弱さに気づき
ケアして行くのが
今の僕の大切な日課

自分の為にも
子供達の為にも

今年も
爽やかな秋風が吹いて来た

新しい一年は
どんな風に吹かれ行くのだろう

僕というカイトは
上手に飛んでいけるのだろか

一日一日を
大切に生きていれば大丈夫だろう。

還暦過ぎる一年一年は、
巡る季節は愛おしく
古き友、新しき友と歩んで生きる歓びは
僕の大きな財産になっている。

徒然に流れゆく時の中で
もがき、喜び、泣き、笑い
前に向かって歩んで行きたいと
思う。

一年一年の重みと大切さ喜びを
素直に受けとめられる歳になってきたのかも。

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