見出し画像

今、数か月しか我が家にいない子猫を、預かって育てています。

子猫の預かりボランティアに初挑戦して、1か月が経ちそうです。
私が今やっている「預かりボランティア」について、何か知らない方も多いと思うので、記事にまとめておこうと思いました。

預かりボランティアとは?

「預かりボランティア」とは、保護団体などで保護された猫さんを、駆虫やワクチンなどの初期治療が終わるまで、もしくは里親さんが見つかるまで、一定期間自宅で猫さんを預かるボランティアのことです。

各種保護団体や個人のボランティアさん、愛護センター等、預かりボランティアを募集している団体さんは様々ですが、それぞれの団体の保護できる頭数に限りがあったとしても、預かりボランティアがいることで、団体さんの保護できる数にも余裕ができ、猫さんも人や家に慣れることができ、預かる私も自宅で仕事をしながら子猫の一番かわいい時期を一緒に過ごすことができ、人にも猫にもメリットのあるボランティア…だと私は思っています。

もちろん、子猫だけじゃなく成猫の預かりもありますし、保護犬やうさぎといった小動物の預かりもあります。

なぜ預かりボランティアをやろうと思ったか

私は今年の3月にぽてとという保護猫をねこかつという団体さんから家族にお迎えしました。

画像1

保護猫をお迎えしたことも、実家の猫ではなく自分の意志と責任で猫を飼うことも初めてだったのですが、ぽてとをお迎えしたことで猫のいる生活の幸せをかみしめる毎日で、幸せを感じるほど、保護猫や保護団体さんの仕組みにとても興味を持ちました。

画像2


ぽてとは、今は私たちの家で愛嬌を振りまきながら、ワガママなかわいさで癒してくれる存在ですが、ねこかつさんに保護されなければ、どこかでひっそり野良として食べ物に困ったり病気に苦しんだりしながら人生を全うするか、愛護センターで殺処分されていたかもしれない命だからです。

何より、私は実家で野良猫を家で飼ったことがあったので、寄生虫やノミダニ、初期治療はとても大変だと知っていたので、それを無償で何匹もやっているボランティアさんの存在はすごいと思いました。
ぽてとの命を私たちにつないでくれたのは、そういった誰かの善意がつながって成立しているということを身をもって実感しました。

ぽてとをお迎えするまで、ねこかつの預かりボランティアさんが更新しているInstagramを見て、「預かりボランティアってこういうことをしているんだ…」ということを初めて知りました。

画像3

そして、ぽてとの預かりさんが、どれだけぽてとに愛情を注いでくれていたか、子猫の時期をかわいがってくださり、先住猫さんがぽてとを受け入れてくれ仲良く過ごしていたか、そのインスタで知ることができ、「私もこの善意のつながりに参加して、今度は誰かに命をつなげてみたい」と考えるようになりました。

申し込んだきっかけ

ぽてとが一人では寂しいかなと思って当初は二匹目をお迎えする予定を真剣に考えていましたが、二匹目をお迎えしてしまうと賃貸規約上もう預かりボランティアに挑戦することはできなくなるので、二匹目のお迎えはいつでもできるのだから、ぽてとが変化に柔軟な若いうちに、一度挑戦してみようと思い立ってねこかつさんの預かりボランティアに申し込みました。

ねこかつさんのHPから、この募集記事を見てフォームで応募しました。
数日後に電話が来て、何匹預かれるか、先住猫はいるか、簡単な確認の上、その後LINEで預かりっ子を何日に受け取るかスケジュールを調整しました。

我が家にやってきた初めての預かり子猫さん

ねこかつさんから初めて預かった子は、茨城の動物愛護センターからやってきた子猫のくるみでした。ねこかつさんでは預かりボランティアが仮の名前をつけるので、夫婦で相談して、夫の「和風な名前がいいな」という要望で「くるみ」という仮の名前をつけました。

くるみを預かって約1か月、何をしたか

画像4

くるみは既に離乳を終えて歯が生えている状態でやってきたので、私たちがすることは毎日のお世話、トイレ掃除、ごはん、健康状態のチェックや、駆虫(寄生虫駆除)のお薬を飲ませたり、ワクチン接種に連れて行ったり、そんな感じです。

毎日の予定でいうと、朝8時前後に夫が起床して、くるみにごはんをやり、トイレをしていたらトイレを掃除し、出社します。出社後は私がくるみを見ます。といっても24時間監視するわけではなく、ぽてともいるので、2週間は感染症の危険も考慮して別室隔離でお世話をしていました。
くるみは大体3~4時間ごとにご飯とトイレをチェックして、エサがなくなっていたら足す、という感じです。ただ、ずっとくるみひとりぼっちになってしまうので、部屋に入るときは30分ほど部屋に滞在して、体重のチェックや、おもちゃでの遊び、窓から外を見せたり日光を浴びせたり、目やにが出ていたら顔をふいたり、夜は歯磨きの練習をしたり、そんな感じです。

子猫は体調が変わりやすく寒さに弱いので、湯たんぽは6時間おきにお湯を交換しています。先日からペット用カーペットを買ったので、最初からこっちのほうが手間は少ないかもしれません。
万一のために、別の部屋にいてもスマホで様子を見れるペットカメラで常時様子をチェックしています。

画像5

1か月でくるみも体重が倍になり、かなり元気な子なので、自らドアでニャーニャー鳴いて、遊んでほしいとねだってくることが多くなりました。

人慣れしていない子だったら、人慣れのための訓練も必要だったり、他にもいろいろな対応が発生するとは思いますが、乳飲み子でない限り猫のお世話はわりと在宅仕事と両立しやすいと思います。

そのほかは、寄生虫を駆除するお薬を飲ませたり、健康状態をねこかつさんにLINEで報告したり、ワクチン接種のために指定病院に連れて行ったり、といったことがあります。

預かりボランティアをして良かったこと、大変なこと

良かったこと

まだ初めてのボランティアの途中で、私もまだまだ勉強中ですが、離乳後の子猫を育てるという経験は初めてだったので、それが自分にもできるとわかったことはすごく良い経験でした。
ただ、ねこかつさんによる医療費のサポートや相談できる環境、フードの支給があるからこそ、子猫にブランクのあるほぼ初心者ボラの私でも、こんなに負担なく子猫を育てられるという有難さも感じています。

画像6

何より、仕事と家庭だけの生活じゃなく、自分の時間に子猫との関わりが発生することにより、生まれたばかりの命と信頼関係を築いていくことにやりがいを感じます。同じ種族でもないし、愛護センターから来た縁のないはずの猫の子が、少しずつ自分に懐いてくれることって、すごいことだなあ…と毎日実感しています。

大変だったこと

大変なことは、ほとんど我が家の環境由来ですが、先住猫であるぽてととの隔離が大変でした。
くるみはウイルス検査は陰性だったものの、ぽてとへの配慮のため念のため駆虫を済ませて2週間は隔離しようと決めていたので、私の仕事部屋をくるみ部屋にして隔離してお世話していますが、これが結構お仕事の生産性に影響してしまいました(^▽^;)

また、先住猫であるぽてとはやはりストレスがあったようで、血便を出したり下痢になったり、ドアを開けた瞬間くるみに突撃しようとしたり、そういった先住猫へのケアに関してはまだまだ配慮が足りなかったなと感じています。獣医さんに相談し、血便に関しては療方食で対処することになりました。

1回目のワクチンが終わって、駆虫も済み、3週間以上経過してからは少しずつ二匹を慣らし交流させているので、今はくるみもぽてともお互いに慣れてきている気がします。

そして、私はまだ新米ボランティアなので、預かりを続けていくことで味わうほろ苦い感情も、もしかしたら今後経験するのかもしれません。

ボランティアをしてみて気付いた個人的なこと

「ボランティア」というと、なぜ無償で労働をするのか?という目で日本では見られやすいと思いますが、私も最初はそう思うところがありました。
たしかに、かける時間や労力、少しのお金を必要としますが、それでも私はボランティアに挑戦してみてよかったと思いました。

私の仕事は漫画家で、この仕事はどんなに頑張っても、目の前で人が喜んでくれるということがありません。イベントなどがあれば別ですが、しょっちゅうイベントがあるわけでもありません。実際には誰かを楽しませているとは思うのですが、それを実感する手応えのなさに悩むことが多くありました。そんな状況の私に、ボランティアで目の前の子猫からもらえる幸せや、これから誰かに幸せをつなげていけるということ、ねこかつの同じボランティアさんとの交流が発生するということは、得難い「やりがい」「幸せの実感」になっているような気がします

仕事ではどうしても生活がかかっていて、やりがいや幸せの実感を犠牲にすることが多かれ少なかれ現代人にはつきまとう問題なのかなと感じます。
でも、ボランティアはそれを解決してくれるひとつの手段なのかなと感じました。

預かり中だけど、「家族」でもある

画像7

くるみは今は我が家でお預かりして生活しているけど、時期が来たら保護猫カフェでデビューして、ずっと愛情を注いでくれる里親さんを探すことになります。

ずっと自分が一緒にいられるわけでない猫を育てることは初めての経験なので、これから自分がどんな感情になるのか、くるみが我が家から卒業する日、お店で立派にデビューする日、里親が決まった日、正式な譲渡が決まった日、どんな感情が私に沸き起こってくるのか、想像もつかないくらいです

最初はどんな距離感でこの子と過ごせばいいのかな?と思っていた部分もありましたが、今は「家族」だと考えて、ぽてとと変わらない愛情を持って接することにしています。人間でいうと、就職して独り立ちするのがかなり早い子供を、前もって心の準備して育ててるという感覚でしょうか。

このスタンスはボランティアさんの環境や経験によって全然違うと思うので、今の私はそう考えようと思っています。だから、くるみが良い里親さんに見つかって、独り立ちして、愛情を独占できる日が来るのはとても楽しみです。

個人的な感情としては、とってもくるみに情が湧いているので、きっと我が家を卒業する日は泣きそうになってしまうと思いますが、くるみの幸せを一番に考えたいと思っています。

預かりボランティアのススメ

最後になってしまいましたが、預かりボランティアは医療費もフードも団体さんが用意してくれて、ケージやトイレなども団体によって貸してくれます。詳しくはぜひ地域の保護団体さんに問い合わせてみてほしいですが、家で過ごすことが多い方で、猫の飼育経験がある方であれば、1か月~数か月と決まった期間だけチャレンジできるボランティアです。ご家族の協力があれば実家住まいの方でも挑戦しやすいと思います。

どこの保護団体さんも、毎日殺処分されるセンターの猫さんや、たくさん増えて邪魔になった猫をレスキューしてくれという困った依頼に日々追われていて、ボランティアの人手は全く足りてないようです。

実家では飼っていたからいつか飼ってみたいけど踏み切れない方や、
在宅仕事で張り合いがほしいなという方には、
ぜひ子猫と過ごす毎日の、当たり前じゃない幸せを味わってほしいです…!
何より猫助けができたという実感を得ることができます!

私がくるみを預かっているねこかつさんのHPを最後に掲載しておきます。


いただいたサポートはすべて原稿製作・設備保守・資材投資・スタッフへの外注費として作品をつくるために使用させて頂きます。