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恋せぬふたり

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NHKドラマの感想記事です。
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#ドラマ感想

恋せぬふたり 3/21放送分

恋せぬふたり 3/21放送分

人は誰かに恋をするものだし、それは異性だし、好きな相手なら性的欲求を抱くし、好きどうしなら結婚するし、そのうち子どもを作るものだし、家族は一緒にいるべきだし、自分の理想より安定を選択しなきゃいけない。それが普通の人生で、普通の幸せなんだから。

「恋せぬふたり」はたくさんの「普通は」「みんなは」の枠を外してくれたと思う。それも予想以上にたくさん、予想以上に大きく。アロマンティック・アセクシャル以外

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恋せぬふたり 3/14放送分

恋せぬふたり 3/14放送分

個人的にキツかった前話から一週おいてお別れフラグがチラついた7話。
咲子の妹は「普通」を他人にまで求めてくるのがしんどすぎる。そもそも家族になれば子どもをという価値観を僕は嫌悪しているので、あれだけ図々しく無神経なことを言われるとうるせ〜なお前に迷惑がかかってんのかと思ってしまう。現代において子孫を作るということに一体どういう意義を見出しているのか逆に教えてほしいくらいである。子どもを持たないとい

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恋せぬふたり 2/21放送分

恋せぬふたり 2/21放送分

3週間ぶりの放送は思った以上にパンチが強い話だった。30分でこれだけ詰め込めるんだから、世のドラマは基本的に30分枠にしても良いと思う。

修学旅行in小田原咲子にラブだった親友の千鶴だが、カズくんに比べて出番が少ない上に報われないというのはちょっと居たたまれないなと思ってしまった。アロマンティック・アセクシャルを主軸に置くと異性愛だろうが同性愛だろうが「恋愛する人」というマジョリティに括られるが

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恋せぬふたり 1/31放送分

恋せぬふたり 1/31放送分

強制対話(feat.カズくん)休む間もないジェットコースター展開のため、勢いに押されてカズくんを含めた三人で生活をすることになった高橋さん。怒涛のハラスメント質問や価値観のギャップにも一応きちんと対応していて人格者すぎる。
→恋人みがエグいvs誰にでも同じように対応します
→家事は恋人にやってもらいたいvs自分のことは自分でしたらいい
→好きでしょ?vs恋愛関係じゃないです
→ムラっとしませんか?

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恋せぬふたり 1/24放送分

恋せぬふたり 1/24放送分

※性的な話題に触れるのでご注意。

高橋さんはダーリン兼セラピスト渡されたアンケートをもとに咲子が自己と向き合い、恋愛的指向と性的指向について掘り下げる回だった。高橋さんはブログを書くことが好きなように見受けられるので文章で表した方が意見を伝えやすいタイプ、咲子は面と向かって対話した方が伝えやすいタイプなのかなと思った。
咲子が訥々と過去の経験やその時の感情・気持ちを高橋に打ち明け、それを高橋が傾

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恋せぬふたり 1/17放送分

恋せぬふたり 1/17放送分

邦ドラとはいえ30分×8回スケジュールだとさすがに展開が早くて助かる…2話目にして家族へ怒りのカミングアウト、高橋さんの生い立ちチラ見せ、同僚の唐突な咲子狂いという盛り沢山な内容だった。まぁまぁ、自認に至って自己理解が進むと状況が変化に転じるということは僕にもなんとなくあった気がする。

やっぱり高橋さんはスーパーダーリン「なめてます?」発言をしたとはいえ、メリットとデメリットを天秤にかけ咲子の同

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恋せぬふたり 1/10放送分

恋せぬふたり 1/10放送分

まず最初に明文化しておかなければならないが、アロマンティックやアセクシャルについてメディアが情報発信をすることを僕は心から喜ばしいと思う。
マイノリティの憂鬱というものは少数派という数の論理によってもたらされているところが多分にあると感じている。少数派だから認知されない、理解も得られない、共感されない、否定・拒絶され嘲られる。マジョリティの発する「普通は」「みんなは」という言葉にたった一人じゃ太刀

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