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恋せぬふたり 1/24放送分

※性的な話題に触れるのでご注意。

高橋さんはダーリン兼セラピスト

渡されたアンケートをもとに咲子が自己と向き合い、恋愛的指向と性的指向について掘り下げる回だった。高橋さんはブログを書くことが好きなように見受けられるので文章で表した方が意見を伝えやすいタイプ、咲子は面と向かって対話した方が伝えやすいタイプなのかなと思った。
咲子が訥々と過去の経験やその時の感情・気持ちを高橋に打ち明け、それを高橋が傾聴・受容・共感するという図式はなんだかもう心理カウンセリングのような光景だなと思った。1・2話でも咲子→高橋という方向性で自己開示が行われることが多々あったのだが、今回はそれがより顕著だなと感じた。高橋はAro/Aceについて知識があり理解を示すことができるし、自己理解がある程度深まっている感じで人としてもかなり精神面が成熟しているし、咲子にとってはダーリンかつ理解者かつセラピストたり得る最強の存在なんだよなぁ。
僕個人の意見として、何かしら生きづらさを抱えている人間は気軽にセラピーに通うべきだと思う。みんな金を払って精神衛生のケアをしろ。

坂口くん

咲子の彼氏ということに周囲でいつの間にかなっていた、というとんでもなくホラーなキャラである。バイト先を「咲子がいるから」というこれまたホラーな理由で決めるめちゃくちゃキモいイケメンくんなのだが、あれっ、なんか聖司くんも似たような行動してましたよね高橋さん…。耳すまの聖司くんって顔が良いから雫に対するあのストーカーじみた行動もなんとなくスルーされてるけど、現実世界だったら顔面偏差値なんて関係なくアウトですからね。君はまず同世代の友人を作れるようになった方がいいし、とりあえずカウンセリングに行け。
坂口くんからの告白がとてつもなく厚いオブラートに包まれていたため、交際申し込みだとわからず知らぬ間に地雷を踏み抜いた咲子だが、どうせマジョリティの若い男の頭の中なんて射精でいっぱいなんだから告白くらい明快にしろよ坂口〜と思ってしまうあたり僕は性嫌悪バッキバキという自覚はある。

カズくん

「一緒にいて楽しく笑うこと」が恋愛交際することだと答えるようなクソキモ野郎であることが明らかになってしまった。「むっちゃ落ち着くゥ〜」という犬のゲロみたいなピロートークも暴露され、もはや公開処刑である。咲子の性経験はカズくんでという設定のため、不幸にも言動が詳らかにされてしまったという経緯はあれどあるある事例としてよくできていたと思うので以下サンドバッグに使うので悪しからず。
咲子の初経験はカズくんの「サニサイのライブディスクを一緒に見よう」という嘘によってセッティングされた状況下のものであった、というのが今回明らかになったことである。交際中の女性が家に遊びにきてくれればセックスOK、という愚かな考えがカズくんから垣間見えるこのシーン、かなりグロテスクである。
抱きしめること、抱きつくこと、手を握ること、キスすること、セックスすること...という肉体的な接触行為は恋愛関係にある相手については同意がなくてもやって良いという誤った認識が蔓延しているように常々感じているのだが、「嫌よ嫌よも好きのうち」というまるで倫理観の存在しない慣用句もある美しい国日本なのでそれはあながち間違いでもないと思う。
「同意がない性行為は全て暴力である」という根本的な概念が欠落している人間はわりといるので、接触嫌悪・性嫌悪のあるアセクシャルにとって雰囲気に流されて〜と表現されるような状況はマジでコイツ無理というルートに直行である。
「自分がしたいから相手もしたいはず」という考えは自他境界ガバガバの愚劣極まりない稚拙な自己弁護であり、肉体という最後で最大の自分の領土を他人に明け渡すということがどれほどリスキーなことなのかをわかってない人間は繁殖行為をするべきではないし、交際相手や夫婦、セフレやプレイのパートナーと言えど己の性欲に相手を付き合わせる権利はないということをまず認識しないといけない。そもそも性欲なんて大体は一人で処理できるものであんなものはただの排泄行為に近いというのが僕の持論だし、何をそんなに美化してるのかさっぱりわからん。
大多数の男性の付き合いたい・好き=セックスしたい、だと解釈しているので、ますます恋愛感情の好きって何状態である。お前の内臓でシコらせろ!と言ったところで夢も何もないわけだけど、せめて性的同意をとることは人として最低限のことなのでしないとダメですよ。

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