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リラックス効果−お茶に含まれる化学物質(3)−

緑茶にはリラックス効果がありますが、他のお茶にも少し触れておきます。

特に注目したいのは、最近人気のほうじ茶です。ほうじ茶は緑色ではなく褐色ですが、実は緑茶の仲間です。なぜなら、ほうじ茶は緑茶を焙煎して作られるからです。緑茶を煎ることで、ほうじ茶は褐色になっているわけです。

その加熱の工程によって、残念ながら、緑茶に豊富なテアニンはかなり失われてしまいます。しかし、同時にカフェインも大きく減ります。ほうじ茶のカフェイン量はコーヒーや玉露よりはるかに少なく、それらの4分の1〜5分の1程度です。

茶葉を焙煎することで、ほうじ茶ならではの香ばしい香りが強くなります。これは、茶葉に含まれるアミノ酸などと糖が化学反応を起こして生じた結果で、ベーコン、トースト、コーヒー、あるいはナッツなどで香ばしい香りが生じるのも同じ現象です。

この香ばしい香りは、ピラジンという化学物質によるものです。ピラジンには、脳をリラックスさせる働きがあります。ほうじ茶に含まれるピラジンの量は、焙煎前の緑茶の数倍にもなると言われています。

ほうじ茶の香ばしい香りを嗅ぐと落ち着くような気分になるのは、化学的にも説明できるわけです。

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