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ウルトラ加工食品制限ダイエットで2kg減

「太った、痩せた」という世界は不公平にできている。ちょっと食べるだけで太る体質もあるし、どんなに食べても太らない体質の人もいる。

トトロみたいな体型のアメリカ人がいて、「どんなに食べるのかなぁ?」と、ドキドキしながら、観察したところ、全然食べない。それに、飲み物はダイエットコーラだったし。

たぶん、僕の摂取カロリーの方が高い。

「あれは隠れて食べてるんですよ」と、スラッとしたアメリカ人がおしえてくれた。日本では「いただきます、ごちそうさま」で一食を明確に定義できるが、トトロ体型の方々は、一食の定義があやふやで、ずーっと食べ続けるのです。と、いうことだ。

へぇー、そんなもんなんだ。

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食事に関して、おすすめの本がある。マイケル・ポーランさん著の「イン・ディフェンス・オブ・フード」だ。「食事で体を防衛」という意味だが、邦訳は「ヘルシーな加工食品はかなりヤバい」で、なんともチープなタイトルになってしまった。僕はこの本がきっかけで食生活を変えることにしたし、事あるごとに、おすすめしてきた。

カフェでバイトをしていたので、店長に「ぜひ、読んでみて」とおすすめしたし、マイケル・ポーランの考えに沿ったメニューも提供した。

めぼしいところを、ランダムに書き出すと。

□栄養素が大切という考えは加工食品(無脂肪のヨーグルトとかビタミン入りのシリアルとか)を生む

□食品の工業化によって、体が破壊される

□栄養学にとらわれず自然のままの食品をとるべき

□ひいばあさんが知らないものは食べない

□5種類以上原料が入っているものはとらない

□果糖・ブドウ糖液糖が入っているものはとらない

□スーパーでは中心部の腐らないものを置いているコーナーで買わない

□できるかぎりファーマーズマーケットで買おう

結局、彼の言いたいのは「本物の食べ物」を食べましょう。ということだ。

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バイト先のカフェで「本物の食べ物を提供しましょう」と、提案すると、3秒の沈黙が生まれた。おかしな。と言うか、哲学的な表現だと思う。

彼の言うところ、食材の部分部分をとりだし、栄養素や保存料、香料を加えたものは、「本物の食べ物」ではなく、「工業製品」である。ということだ。

その工業製品に、栄養学で測れないネガティブ面があることは知られている。たとえば、マーガリンやショートニング。動物性脂質が悪く言われ、健康に良いという触れ込みで登場したが、トランス脂肪酸の弊害が分かった。結局のところ、バターを食べてる人々の方が健康的だった。
サプリメントだって、ビタミンEをとっている人は、寿命が短いという研究結果もあるし。

そういう流れで、今日紹介したい論文は、「ウルトラ加工食品」について。

加工食品がなぜ悪いのか。 ケビン・ホール博士の論文を紹介しようと思う。論文タイトルは「ウルトラ加工食品はカロリー摂取過多を引き起こし、体重増加につながる*」。
ウルトラ加工食品の定義は「安価な産業的な食材で構成され、栄養や添加物を加え加工したもの、ホールフードは最小限しか入っていない」。僕が学生の頃お世話になったマカロニチーズとか、インスタントラーメンとか、シリアルとかだ。

ボランティアを20名を募集し、2週間をウルトラ加工食品だけの生活と2週間「本物の食べ物」だけの生活を体験してもらう。加工食品を先にとるか、どうかで影響があるかもしれないので、10名は最初の2週間で加工食品をとってもらい、残り半分は最初の2週間で「本物の食べ物」をとってもらう。おかわりは自由。決められたメニューを好きなだけ食べてもらうので、ボランティアの摂取カロリーは日によってちがう。

通常、こういった研究は、ボランティアにアンケートをかかせ、日常生活を過ごしながら参加してもらう(拘束すると謝礼がや宿泊代など研究費がかかるので)。ホール博士は厳密で、彼らを拘束し、与えた食事カロリーを正確に記録している。

毎日体重、体脂肪を測定し、2週間後に血液検査を行い、体内の変化を細かくみていく。14日間という短い期間だが、体は素直に反応していく。

さて、結果。

1 ウルトラ加工食品を食べると太る
被験者は加工食品を食べ続けた2週間後、体重が平均1kg増えていた。本物の食品群は逆に1kg減っていた。

2 太った理由は摂取カロリーだ
太ったは明白で、加工食品をとるときは、摂取カロリーが多い。加工食品ウイークは、平均すると1日当たり500キロカロリーほど多くとっている。

3 血糖値は変わらないが、コレステロール値は悪化
加工食品は血糖値を上げやすく、インスリン抵抗性を悪化しやすい。カロリー過多でなくても、太りやすくする。という仮説をたてることができるが、実際は血糖値には影響しない(まぁ、2週間なので)。
しかし、加工食品によりHDLが減少している。

他に影響を受けたバイオマーカーはペプチドY(食欲を減らすペプチド。インスリン分泌に影響)、アディポネクチン(長寿ホルモン。これが高いと長生きする傾向)、Cペプチド(血糖コントロールに影響)、尿酸(痛風の原因)、トリヨードサイロニン3(甲状腺ホルモン、体温など代謝に影響)。

この論文からは、加工食品が悪いのか、摂取カロリーが悪いのかは分からない。長い時間を調べていけば、同じ摂取カロリーでも「加工食品は悪影響を及ぼす」という結果がでてくるのだろう(他の動物実験から推測すると)。

この論文で分かったいちばん、大切で身近なことは、加工食品を避けるだけで、「やせる」ということだろう。それにコレステロールも良くなるらしいし、代謝も改善しそうだ。

カロリー制限でダイエットするが大変だとあきらめた経験がある方は、ぜひ試してみてください。「ウルトラ加工食品制限ダイエット」。2週間で1kgくらいの減量はできそうです。

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Cell Metab 2019 Jul 2;30(1):67-77.  "Ultra-Processed Diets Cause Excess Calorie Intake and Weight Gain: An Inpatient Randomized Controlled Trial of Ad Libitum Food Intake" 


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