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俳句生活 人選句 掲載

 こんばんは、どうにかこうにか毎日更新が続いております。今日は、先週の発表でしたが、俳句生活という夏井いつき先生が選者の投句サイトで、天・地・人・佳作の中で「人選」をいただけましたので、掲載しようと思います。

 今回発表になった兼題は、「秋の暮」。投句したのは、ちょうど俳句を始めて10日経つ日でした。兼題って何?状態で、とにかく「秋の暮」という季語を歳時記で引き、どんな句が有名なのか、などを一通り見てみる。見たところで、まだ10日やそこらの私には、自分で作る句の良し悪しなど到底分からず、とにかく外に出てみました。

 「秋の暮」がちょうど、その投句時期と同じ頃合の季語だったので、とにかく散歩して、目に止まったもので作ってみて、投句してみようと。近所の街中散歩を、約一時間程度して、帰ってから作句し、そのまま投句しました。で、出来た句が以下の通りです。

秋の暮まっすぐ歩かない少年

 この句が一番最初にできた句でした。散歩中に見たままの景色を詠みました。私が見たのは、登校途中の一人で歩く小学生の男の子の姿でした。
 歩かないというよりは、歩けないという雰囲気の、目に映る色んなものに執着して、草や木や看板や信号機、色んなものに近づいては、道草を食っていました。まるで冬に向かって枯れ始めている秋の景色を名残り惜しむかのように、一つ一つの景色に、見惚れ、頷き、また歩き始める少年でした。
 その一人の姿が、どことなく寂しさもあって、きっと同級生は彼のようなものを、変人扱いするのかもしれないけれど、少年よ、そのままであってくれ、という想いも湧き上がりました。

秋の暮きのふより薄きタギングよ

 今振り返っても、無意味な中八だし、タギングよの「よ」はなんなんですか?と突っ込みたくなる句ですね。
 散歩途中、街中に落書きを見つけたのですが、それが昨日より薄いような気がして、それはきっと、昼間に見るより朝に見る方がコントラストが弱く見えることによって彩度が下がって見えるからでしょうが、そんな景色を詠みたくて、句にしました。
 私は、どうも高尾山に登った時もその山頂の電信柱に施されたタギングの写真を撮ったり、こうやって散歩しているとタギングが目に止まったり、どうもタギングに執着があるようです。
 どこか懐かしさを感じます。中学校時代の非行少年期に憧れていたからかもしれません。タギングで、いい句が作れる日が来るといいですね。

駅ピアノビル・エヴァンスや秋の暮

 この句も、三段切れになってしまっているし、伝えたいことがイマイチ伝わらない句ですね。掲載無しも仕方なし。
 書いてあるとおりで、最寄駅の駅ピアノからビル・エヴァンスの名譜「Autumn Leaves」が聴こえてきて、それが秋の暮にぴったりだと思って詠んだ句です。仕事に向かう前の朝、仕事帰りの夜、サラリーマンが駅ピアノで、ジャズを奏でる。それを聴く周りも、今日はどんな曲なんだろうとか楽しみにするんだろうな、と、そんな週間の日常が、なんだかいいなと思って句にしました。それが俳句を始めて10日だと、単語の羅列になってしまうわけですな。
 この句は、冬になって、ちょっと推敲し直して、「冬の暮今宵はジャズか駅ピアノ」としてみましたが、仮にこの句だと、どういう評価になるのでしょうか。そこは自分でもよくわかりません。でも、少しは、駅ピアノの音色が聞こえてくる句になった気がします。毎日駅ピアノを聴く仕事帰りの楽しみな雰囲気も伝わるような。どうなんでしょう。
 ビル・エヴァンスは、私自身すごく大好きなジャズマンなのですが、俳句にするには、私にはまだ難しい。でも、ビル・エヴァンスのとか、ビル・エヴァンスをとかで、中七で繋げられるので、いつか、ビル・エヴァンスを入れた句を作れたらいいなと思います。

まとめ

 今回は、初心者のラッキーパンチが当たったに過ぎないと思っているので、次回以降の投句で、より頑張って「天選」を目指せたら、と思います。今回の結果発表前に既に締め切られた「千鳥」の兼題は、仕方ないと思いつつ、今募集中の「雪催」の兼題からは、一度結果を見てからの戦いになるので、ここからが勝負だなと思っています。
 とはいえ、俳句は自分のためのもの。あまり結果に囚われず、自分の読みたかった景色が詠めたか、もっと伝わる句にできるのでは、という観点で、作っていこうと思います。
 次回以降も、入選せずだったとしても、noteの方には適宜更新していこうとお思います。ぜひ詠んでください。

最後に

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堂ノ本 敬太
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