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浅草寺にやどる”思い”にふれた旅

国内からも国外からも、多くの人々が足を運ぶ寺院。東京都台東区 浅草寺(せんそうじ)。先日、出張のついでにはじめて訪れることができました。雷門や風神雷神像の荘厳なたたずまいが人々を惹きつけるこのお寺で、人肌の温かさを感じることができたので、その様子をお届けします。

浅草寺に至る

2023年11月。夜。
地下鉄浅草駅から地上へ出ると、提灯を模した街灯のあたたかい光が通りを満たしていました。小雨の水滴がひかる様子を楽しみながら、浅草寺玄関口を目指します。

雷門。その提灯には…

目に飛び込んできたのは、年末年始のNHK番組「ゆく年くる年」で毎年目にする壮大な門、雷門。日が暮れたこの時間もしっかりとライトアップされ、風神雷神像の顔がはっきり見えました。こわい。こわカッコいい。

雨の中でも「雷門」の提灯前で記念撮影をする観光客たち。僕の目的は記念写真ではないのですが、ここは順番を待って提灯の元へ進み出ます。見たかったものがあったのです。

それは提灯に記された「奉納者」の名前。神社やお寺、お祭りに出される提灯は単なる灯りではなく、神様や仏様への奉納物の意味があります。日本を代表するお寺である浅草寺の、雷門の、こんなに立派な提灯を誰が納めたのか。それが分かれば、浅草寺をもう一歩味わうことができると思ったのです。

提灯に記された名は松下電器。納得。これは納得です。松下電器は現在のPanasonic。「当社が創り出す音(Sonic)をあまねく(Pan)世界中へ」という精神を持った会社の提灯が、国内外から人々が訪れる浅草寺の雷門にある。シビれる。これはシビれました。

宝蔵門へつづく道

雷門を抜けて浅草寺の中へ入ると、年中お祭りをしているような雰囲気の仲見世商店街へ入っていきます。風神雷神像や、五重塔など厳かなものたちが、明るい声が絶えない参道を見守るように囲んで共存している。現在の宗教施設として、地域に馴染んでいる理想的なあり方だなぁと感じました。

商店街を抜けて次に見えてくるのは宝蔵門。当日は小雨が降っていたので水溜りがいくつもできていました。そんな中、門の前では面白い光景が。カメラマンの方が、水たまりに反射した浅草寺の門を写真におさめていたのです。わたしも真似して同じように撮ってみました。つきまとうような雨は冷たかったですが、このような写真が撮れるのは雨の日のお参りの醍醐味ですね!

浅草寺に宛てた想い

浅草寺は、表参道がお土産屋さんで溢れかえっている姿からも分かるとおり、観光地然としたのですが、寺院として信仰を集めていることがはっきりと分かるものがありました。それは宝蔵門の裏手に掛けられてある巨大なわらじ。重さ2500キロ、長さおよそ10mの巨大なわらじで山形県村山市が10年に一度奉納しているものでした。このわらじには魔除けのはたらきがあり、門にぶら下げられた巨大なわらじを目の当たりにした魔物は「こんな巨大なわらじをはく者がこの寺を守護しているのか」と恐れおののいて退散してしまうそうです。わらじの大きさはそのまま信仰心の高さも表していると言えるのではと感じました。人々の思いが目に見える形になってこうして存在しているという事実がスゴイ。わらじの大きさや厚さがかもす重厚感は、実際に目の前に立って初めて分かるもの。浅草寺を訪れることで得られた気づきだなぁと感じました。

おわりに

僕にとっては「東京の有名な観光地」という漠然とした認識しかなかった、東京都台東区 浅草寺。実際に訪れると提灯や写真、そして巨大なわらじという形を通して、多くの人の気持ちが宿っている豊かなお寺だということが分かりました。こんどは青空が行き渡る日中に訪れて、今回見られなかった新たな魅力を探してみようと思います!

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