見出し画像

子供のころに聞いた戦中戦後の話 第五話 ~海軍カレー?~

昭和50年頃じいちゃんから聞いた話

じいちゃん、カレーが大好物で月に2,3度、自分で作って家族に食べさせてました、ばあちゃんがメシマズでばあちゃんのカレーは食えたもんじゃなかったのが大きいのですが。じいちゃんのカレーはシャバシャバで水分が多くて小麦とマーガリンの香りにたっぷりの牛スジ肉と玉ねぎだらけの昔風の味付けでした。じいちゃんは自分の皿にはこれでもかってくらいコショウをふりかけ辛いというより痛いカレーを涙目で食べるのがいつものことでしたなんでそんなことするん?と聞いたところ

じいちゃんは陸軍で物資運搬の任務についていたそうです、仕事はたいしたことはなかったらしいのですがとにかく腹ペコいつもひもじい思いをしておりときどき厨房から食べ物をかっぱらっては便所で食べていたそうです。さてカレーですがじいちゃんが作るようなものではなくもっともっとう薄く、きつい香辛料でごまかされたカレーだったのですが匂いだけは立派にカレーの匂いで空腹時にはそりゃあたまらんかったそうです。いちどだけカレーをかっぱらったのですが入れ物がなくポケットに入れ走って便所に行きむさぼり食ったそうです。

戦争が終わってからもカレーの匂いには抗いがたく、大好物となったのですがあの運搬船で食べた不味いカレーに少しでも近づけたくてコショウを大量に入れてると話してくれました。

よこすか、呉では海軍カレーなるものが名物としてありますが戦時中の海軍カレーはこんなものだったのかもしれませんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?