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褒める

イギリス人は?、イギリスにいる先生は?、些か主語が大きい気がするけれども、私の周りにいる先生は生徒を良く褒める。そして、'It is a wonderful report'とか言いながら、平気でCとかを付けてくる。なんだよ、ワンダフルとか言って、なんでCなんだよとバリバリの日本式の教育体系(高校まですべて公立)で育った私は思うけれども、ワンダフルって言いながらCを付けるのが英国流なら、そうなんですかと気持ちを飲み込むしかないのである。wonderfulは素晴らしいという意味だと覚えていたけれども、エッセイの採点時に、一応付けとく言葉で、特に意味はないという風に覚え直した方がいいのかもしれない。もしくは、ドイツ語と日本語でアルバイトの意味が違うように、もしかしたら、日本に間違って伝わってきたのかもしれない。だとしたら一大事である。

だけれども、ふとしたところから出てくるお褒めの言葉は嬉しいのである。

私が給付型の奨学金をいただいて留学していることはどこかに書いた気がする。奨学金をいただいている団体に、先学期の修了報告書を提出した。いつもの月例の報告書では、送信してもなんの返信もなく、既読のマークがつくだけであるが、今回は返信が返ってきた。「来学期の報告書も期待しています」と。多分、修了報告書を提出した学生全員に同じような文章の返信をしているのだろうということは簡単に予想がつく。私にとっては唯一の奨学金支給団体だけれども、私は支給団体からすれば、溢れかえる奨学金受給生のうちの一人なのである。そんなことはとうに理解しているけれども、いつもは淡白な返信しかしない奨学金団体が、感情を見せたことに驚いたし、期待していますなんて言われたのだから、結構嬉しかった。あ、私、期待されているんだと思うと、嬉しいものである。自分がなんでこんなに苦しんでいるんだろうとか、なんでうまくいかないんだろうとか色々思う中でも、私の留学に期待を寄せてくれる人がいる、私の留学に期待をするほどの価値を見出してくれるということが、お世辞でも確認できたことは喜ばしいことだった。期待を寄せるということは、裏切られる可能性が同時に存在するのだ。そんな中で、期待しますなんて言われたのだから、嬉しいに決まってるよね。

そういうこと。

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