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ロンドンドックランズ博物館

ドックランズという言葉をご存じだろうか。多分、中学の時に受験勉強で習ったと思う。高校の地理では、都市開発とか都市問題の項目で扱ったはずである。日本人の学生に話すと、聞いたことないみたいな顔をする割合が比較的高いのだが、教科書に載っていたはずである。多分、興味がない人にとってはすぐに忘れられるものなのだろう。

私が在籍しているコースでは、リサーチプロジェクトというものをやらなくてはいけなくて、私はアルザスロレーヌ地方の教育政策とナショナリズムの関係と、ロンドンドックランズの一つであるライムハウスにおいて、戦前に存在した中華文化は再開発後の文化にどのような影響を与えているのかを題材にしている。ライムハウスの文化はどのようなものだったのか、再開発された現在はどのような文化になっているのかを知ることができるかもと思い、ロンドンドックランズ博物館に行った。

小さい博物館だ。ナショナルギャラリーとかの規模を想像していくと拍子抜けするかもしれない。入場料が無料で嬉しかった。イギリスの博物館、美術館は入場料が無料な場所が比較的多くて、毎週のように通うこともできる。現に私は、毎週金曜日の夕食後に、徒歩20分の距離にある大英博物館にてくてくと行って、1,2部屋を1,2時間かけてみて、土日の食糧を買って帰っている。割と人がいなくていいですよ、おすすめ。

ドックランズ博物館の話に戻ろう。結論から言うと、文化に着目した展示はあまりなくて、私のリサーチプロジェクトに関係するのは、再開発の展示くらいだった。再開発というものは、往々にして既存の文化が変化することが多い。ドックランズの文化は死んだのか、それとも死んではいないのかという展示(文章?考察?)がおもしろかった。追加で話すなら、処刑に関する展示が興味深かった。捕らえられてロンドンに連行されてきた海賊はドックランズの所定箇所で処刑される。絞首刑になった海賊の死体は、3回潮が満ちるまで吊り下げられまま見世物となる。これは、海賊になったらこうなるんだよという示唆である。海賊のドレイクは英雄としてもてはやされたのに、ドックランズでは見世物になるんだなと。見世物となる海賊の死体を入れておく鉄の人型のゲージが展示してあって、世界には処刑の方法が色々あるんだなーという陳腐な感想を抱いた私であった。

下の写真はテムズ川。ここを幾つもの船が通ったんだなと。

テムズ川。相変わらずの曇り空

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