好きな声帯の話①

杉田智和さんを知っているか。

知らなくても結構だ、勝手に話すから。

杉田智和さんは「銀魂」の坂田銀時や「涼宮ハルヒの憂鬱」のキョンの声帯を担当していたことで知られる超大人気声優で、
私の原点にして頂点。
熱の差はあれどもう10年以上好きで、今も変わらずその魅惑の低音ボイスの前では「好き…」以外の言葉は発することはできない。
思春期の多感な時期にこの人の声に出会えたことを誇りに思う。

なんで急に杉田さんの話なのかというと、絶賛懐古中の私が
とある方の影響でいまさらながら「夢王国と100人の眠れる王子様」というスマホアプリを落とした。
140人以上のキャラクターと恋愛ができるという乙女ゲームで、
「乙女ゲームは携帯ゲーム機以外認めない」を信条にしていた私だが、その中に杉田さんをはじめ、あの頃青春を捧げた声優さんたちがほぼ全員登場するという逆になぜ今までやってなかったの?と問いたくなるアプリだ。

そのアプリをDLした当日、カスタムガチャなるもので杉田さんの声帯を持つキャラ、万里を出せた。
正直、課金も辞さない覚悟だったが、無課金で出てしまった。
某所で課金の恐ろしさ、推しが出ない怖さを穴が開くほど見ていたので、ちょっと拍子抜けした。

しかし出たものは出たので本当に良かったのだが、調べてみると
万里くんは覚醒すると2パターンになるらしく、それぞれ喋る内容が違うのだ。
しかもどちらも最高なことをしゃべっている。これを手にせずにはやめられない。
本当の戦いはここからだった。

しかし、始めたばかりのゲーム。
二人目以降の万里くんは今後の楽しみでもいいだろう。
今はビギナーズラック万里くんを堪能したい。
そう思うものの、なんせソシャゲ自体初めて触れるものだから勝手がわからぬ。
万里くんが映し出された画面にそっと触れると

アナタの傍にいると、それだけでドキドキします。アナタは…どうですか?

憤慨した。
誰だ、杉田さんにこんなセリフを言わせたのは。
最高すぎる。

”あ”の発音から”か”の発音終わりまで徹頭徹尾最高だった。
最高すぎて逆に怒りの感情が出てしまうのはオタク特有の症状だと思う。
しかも触ったら何度でも喋る。たまに違うことも喋る。

無料でいいのか…?

最高の声で、最高のことをしゃべる、彼が無料…?
これは何らかのしっぺ返しが来てもおかしくない。
ソシャゲ界隈では「推しが来たらその反動で体に何らかの支障がでる」ということが通説らしい。
怖すぎる。ソシャゲを嗜んでいる先人たちは皆この恐怖に打ち勝っているのか。
それとも、「推しを出したんだからこれくらいは当たり前のこと」と悟っているのだろうか。
どちらにしても人間のステージが違う。私もそうなりたい。

人生トータルでプラマイゼロになるらしい。
絶賛プラス中の私がいつマイナスに転じるかわからないので、
万里くんの反動が来るその日まで、怯えながらも万里くんを愛でようと思う。