『すずめの戸締まり』感想🎞️

非常に人を選ぶ作品。
公式サイトにも記載されているが、緊急地震速報や地震の描写を含むので、苦手な方は視聴を避けて欲しい。


新海誠監督の作品は鮮やかでいつも苦手なのだが、話題作という事で。

あらゆる細かい設定やそれが明かされない事を気にしてはいけない。

主人公の鈴芽がいきなり巻き込まれて行き、状況を把握したり面白いと思ったりする間もなく、序盤から押し付けられるドタバタコメディ・・・。うんざり。

上映時間122分で大きいテーマを描きつつ、鈴芽や草太の関係や心の機微を描き切るのが難しい事は想像に難くないが、私のようにそれらを重視する視聴者からすると、やはり物足りない。
「壮大にしなければ良いのではないか?」と思ってしまう程であるが、新海誠監督自身がエンタメ映画と表現している事もあり、そもそもそんな所に期待して見る映画では無いのかもしれない。

下記リンクのインタビューでは、「どんなことを経験しても、その後も人は生きていくことができる。だから大丈夫」というようなメッセージを込めたとあるが、それは他の題材でも可能な表現であり、鈴芽が震災以降苦しい思いをし続けたシーンがあった訳でも、震災の描写を多く取り入れた訳でも無いのに、「震災」を使いそのメッセージを表現する必要があったのか、疑問が残る。

また、鈴芽と草太を恋愛関係にした事も、それが伝わり難い要因と思う。
少なくとも東日本大震災を題材にした上で真剣にそれを伝えたいならば、鈴芽が自分自身や震災ともっとじっくり向き合う物語にすべきだった。

新海誠監督が伝えたかった事には、悲しい思いをした人たちを大事に思う気持ちがある筈なのに、その人たちの傷や思いを大事に仕切れていない点が顕で、期待してはいなかったものの、非常に残念。それに尽きる。

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