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ある高校球児の一日

小学生の時にソフトボールををはじめ,中学校では軟式野球,高校では硬式野球をやっていた僕は,大学でも軟式野球部に所属していた。

結局10年以上もベースボール型のスポーツを続けてきたことになる。

その中でも特に一生懸命に取り組んだのは,本気で甲子園を目指していた高校時代の部活である。

高校の部活動の思い出は,濃く強い印象を僕に与えている。いまだに夢の中で高校野球をしている自分の姿を見ることがあるくらいだ。

そんな高校時代の部活がある日の過ごし方を少しずつ思い出しながら書いてみようと思う。

2014年のある日の平日

6時 起床

僕の実家がある地域から高校までは専用のバスがあった。しかし後述するように,野球部には朝練があった。バスの始発ではこの朝練に間に合わない。だから僕は,仕事に行く親の車に乗せてもらって学校に通っていた。リッチな車通勤である。親には感謝しかない。

7時 朝練開始

すべての高校が朝練をしているわけではない。しかし普通科で,練習時間も少なかった僕の高校は朝練を取り入れることによって他の高校に追いつこうとした。7時から朝練は開始だが,あくまでも全体練習が7時からということなので,多くの選手は6時半くらいから各自で練習をはじめていた。ちなみに私は7時ギリギリにグラウンドに行っていた。

8時半 朝礼開始

高校球児だからといって野球だけしていればいいわけではない。朝練を8時過ぎには切り上げて,ユニフォームから制服に着替えて校舎に向かう。朝,女子高生の彼女と共に学校に来る同級生に心の中で毒づきながら,どこか羨ましいと思う自分がいた。サッカー部はモテるが,なんか腹立つ。(偏見)

9時前〜15時半 学校生活

高校球児だからといって野球だけしていればいいわけではない。野球の強豪校と呼ばれるような学校は,平日でも午後からもう野球の練習をしていたらしいが,僕たちはきっちり50分6コマの授業を受けてから部活がはじまる。

野球部にとって食べることもトレーニングの一環であると言われてきたので,授業と授業の間には,学食に行っておにぎりを買って食べていた。学食のおばちゃんたちが握ってラップにくるんでくれたおにぎりはなぜか異様に美味しかったのを記憶している。

授業はどれも真面目に受けるべきものだが,野球部のコーチなどが担当する授業(野球部関係者は社会科の先生が多かった)は一層真面目に受けることになる。もちろんテストも頑張る。

4時前〜7時 部活

授業が終わって終礼をした後,野球部の部員は走ってグラウンドに行く。ただ走るのではない。全力疾走だ。「練習の時間をふやすために走れ!」と言われていたが,ちょっと走ったくらいでどれくらいの練習時間がふえたのかはだれも知らない。が,とにかく走ってグラウンドに行くのは決まりになっていた。

小さなホワイトボードに今日の練習メニューが書かれている。専用のグラウンドを持たない僕たちが主にグラウンドが使えるのは,他の部活が終わった後の6時から7時の間のみだ。それまでは裏のサブグラウンドを使ったり,ウエイトトレーニングをしたりする。

6時からグラウンドが全面使えるといっても,照明設備は内野にしかなく,満足な練習がいつでもできるわけではない。その中でもなるべく無駄を省いて,効率よく練習することを心がけていた。

8時過ぎ 帰宅

高校球児だからといって野球だけしていればいいわけではない。家に帰ると勉強が待っている。とりあえず風呂に入り,夕食を胃にかきこんだ後は,宿題や次の日の授業の予習をする。ただ部活後の体はありえないほどの力で睡眠を求める。いつも睡魔と闘いながら,目を閉じていたことを記憶している。(いや睡魔に負けとるやないか笑)とにかくこんな感じで一日が終わり,同じような次の日がはじまる。

昔の高校野球は毎日練習をするのが当たり前だったようだが,最近では休むことも大切だということがわかってきている。うちの野球部でも毎週月曜日は完全休養日として,練習を一切行わなかった。とはいっても,他の平日はびっちりと,休日も朝から晩まで練習や試合をしていたことを考えると,大変だったなぁと感慨深くなる。

高校時代はほんとに野球だけやっていたイメージで,案の定高校生から浪人生となった。ただこの高校の三年間はまぁまぁいい思い出として僕の中にあるし,今の僕に少なからず影響を与えているのは事実だろう。あの三年間を経て今の僕がいる。

また機会があれば詳しい練習内容やその時考えていたことも書きたい。浪人時代のことも書きたい。みんながどんな部活動生活を送っていたのかも興味がある。










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