「あとのラジオ」 立春から雨水へ

担当するFMラジオ番組 Radio BREATH OF EARTH   
二十四節気、立春から雨水の回「あとのラジオ」

番組オンエアで紹介した内容や、触れられなかったことなどをまとめていくブログとして。思い出したり気付いたら編集する公開の原稿のような感じで書いています。通常の歳時記や季節の話の他、そこから派生する食や身体のことなども少し調べてみた上で、自分の感覚ではどんな季節感なのか、小さな思い出や日常を交えつつ、まとめながら。再放送のタイミングで投稿していきます。
よければお付き合いください。

番組のオンエア自体は以下のタイミングです。
リンクやプロフからブラウザにてお聞きいただけます。のでよかったらどうぞ。

WebSites Radio → https://suzume138.wixsite.com/kazemeguru/radio

放送日
2024・2・16  魚氷に上がる(立春)本放送
2024・2・23 土脈潤い起こる(雨水)再放送


魚氷に上がる(立春) 本放送 2024・2・16 

暖かくなって湖の氷が割れ、魚が跳ね上がってくる頃。
そんな春先の薄く貼った氷のことを。「薄氷(うすらい)」と呼んでいます。

日本の七十二侯を楽しむ
ー旧暦のある暮らしー

「薄氷」のことを「蝉氷」とも呼びます。冬の間は水底でじっとしている魚たちも水温が上がり始めると浅いところに移動します。これを「巣離れ」と呼びます。

イラストで楽しむ
日本の七十二侯

徐々に暖かさを増していく、初春。
体が緩んでいくのを感じます。それに合わせて気持ちの上昇というか開いていく感覚。梅の花が咲いたり。朝、夜、また曇り空はとても寒いのだけど、太陽の力が増していて陽に当たると筋肉が緩む。朝方氷が張っても陽の光の暖かさで次第に溶けてしまったり気温も上がってきて氷も薄くなるんでしょうね。魚も陽の光に誘われるのか、はたまた餌になるものが水面近くに来るようになるのか。
浅いところに移動してくるらしいです。今年は暖冬でしたね。
雪もそうですが、氷るタイミングも少なかったかな。

岩魚、山女魚、天魚渓流釣りが解禁になるのも2月ごろだとか。
岩魚美味しいですよね、塩焼き、父親が釣り好きだったので時々食べたなぁ。そういえば思い出しました。この時期釣りに行ってました。そわそわして釣り道具、山道具準備してた気がします。


春寒(はるさむ)
この時期の寒さの呼び方で、こんな呼び方があります。
立春になり暦の上では春。けれど二月はまだ寒い季節。その寒さをあえて春寒、または余寒と呼び、もう春だからこれは冬の名残なのだと、暖かな春本番の到来を待つ。

これは感覚的にはわかる気がするんです。
立春、旧正月を越えるとやっぱり春と呼びたくなる感覚がある。
身体の調子、睡眠から目が覚めるときの感覚、食欲。僕は今年はそれが顕著でしたね。だから2月のこの時期はまだ春の寝起きで、あぁ暖かくなっていってるなぁを実感し始めてる感じです。みなさんはどうでしたかね?



めじろ⇄鶯
この候の前にちょうど鶯鳴くという候もありました。
その候をもっと昔は「梅の花 芳(かんば)し」と呼んでいたそうです。確かに梅が咲き始めて綺麗でしたね。。梅は香りが柔らかくて好きです。桜よりも好みかも。つい鼻を近づけて香りを嗅ぎたくなります。

脱線しましたが、めじろと鶯。の話。
どうも僕はこのめじろと鶯を間違えるのだけど、めじろの方が色が明るい緑。目が白い。そのはずなんだけど。先日長男が本で読んでくれて気がついたのが、鶯餅は目白の色明るい緑。。鶯豆もそう。逆ですよね笑。
鶯いろというのは昔からあるのに和菓子では、逆なんですね。
昔の言葉や呼び名ではこの逆だった!
みたいなのはよくありますね。

雨水

降っていた雪がいつしか雨に変わり、積もった雪や氷が本格的に解け始める頃。
固く締まっていた土がゆっくりと潤い始め、春の気配に草木が蘇ります。
昔から雨水の時期は農耕の準備を始める目安とされてきました。雪も徐々に水分が多くなると結晶同士がくっつきやすく、大きな「花弁雪」や牡丹の花にたとえた「牡丹雪」そしてすぐに溶けてしまう「淡雪」雪混じりの「霙(みぞれ)」へ。
やがて糸を引くような「春雨」「暖雨」へと変わっていくのです。

イラストで楽しむ日本の七十二侯

雨の呼び名

春の恵みの「養花雨」
花や草木に養分を与えるこの時季の雨を「養花雨」と呼びます。
同様に、雨水から春先にかけて降る雨は「甘雨(かんう)」
「慈雨」「催花雨(さいかう)」などの呼び方も。昔の人々はそれほど植物を愛し、花が咲き誇る春を心待ちにしていました。

イラストで楽しむ日本の七十二侯

雨水
立春、旧正月ときて、あぁ暖かくなるのだなぁとちょっとうきうきしたのに、やっぱり雨が降る。でもこの時期の雨は優しい雨。しっとり降る。(はずが、最近ではめっちゃ降る時もあるみたいだけど)番組の中ではそのイメージで選曲しておきました。雨の呼び名がいろいろあるのもやっぱり日本ならではですね。

僕はこの時期までに、家の周りの環境整備をしておくのをいつも目標にして片付けや草取りや、枯れ木、枯れ草の片付けなどをします。(大概やり切れなくて雨が降って雨があけると忙しくなる笑)でもその感覚はやっぱりあたってるのかなぁって思うのが、雨水のころに農のことはじめもあったりする。雨が降ったり、虫が出てきたり(次の啓蟄)するまでに冬の片付けをして、次の季節に備える。不思議なもので、少し環境整備して片付けると、こんな僕でも「何か春野菜でも作るかな」なんて気分になるもので、今年も準備を始めています。


この時期の食


意識するとして良いのが、冬に排出できなかったものを排泄する苦味のことと、活動的になっていくために必要なエネルギーを蓄える食材のことなのかなぁといろいろ調べてみて思っていました。

苦味
菜の花、山菜、ふきのとう、カラシナ
これは漢方の考え方でもあるけれど、苦味には清熱、燥湿、解毒、不要物の排出する力があるそうな。ふきのとう、菜の花、カラシナ、積極的に食べたいところ。
湯がいてお醤油とかかなぁ、菜の花なら。白あえも美味しいですよね。

エネルギー
ブロッコリー、お米、鶏肉、ぶり
結局。旬の物をちゃんと食べるのが良いように思うのだけど、それもただ食べれば良いというだけでもないような気もするのですよねぇ。自分の状態を観察してみて弱っているなと思ったら積極的に季節のもので必要そうな物を(おいしそうと感じる物)食べてみると良いのかもしれません。ちなみに僕は今年食養と土用を意識して暮らすのをちょっとやってみようと思い、少しずつ勉強しながら進めてみてるんですが、実際にこれらの食材を食べてみると身体に響く旨味と活力をもらうようなエネルギーを感じます。(例えばプラシーボだとしても季節と響きあったらそれはそれで細胞活性化になるのですかね〜)


ブロッコリーは思っていたよりすごい野菜で、弱っている胃腸や虚弱体質を改善したりする働きもあるそうな。ブロッコリーのビタミンは目に良いそうで、目の粘膜を保護してくれるそうです。花粉症、ドライアイ、アレルギーに良いそうな。
スルフォラフォンというファイトケミカル(なんだろこれ??今度調べてみるね)
が疲労回復と、アンチエイジジングに効果的だとか。タンパク質もあるから筋肉がつきづらい人はトレーニング前に食べると良いそうな!
と、ここまで書いてみると、スーパーフードですねブロッコリー。
すごいぞブロッコリー。

でもね、無農薬のものが高い。積極的に食べるには農薬が気になるところなんです、重曹につけたりして下拵えも良いかもだけど、長時間水につけるとビタミンCが流失するんですって、なので僕は今年は育ててみることにしました。
今は苗をもう少し大きくしてあげてるところ、いっぱいできるといいな〜。

そういえばブロッコリーは最近。指定野菜?に認定されたそうです。指定野菜って何だろ??→日本人の現代の食生活に需要な野菜。それに認定されたらしいです。今までは準指定野菜だったらしいのですが、50年ぶりの追加だそうです。


鶏肉
疲れを感じる、慢性的に疲れがあって寝ても疲れが取れない、エネルギーが不足してるなど、不足した精、気を補い、心身に力を取り戻す力があるそう。食べ物の消化吸収を司る脾胃の働きを高めるそうで、胃腸を温めて気を補う。体力を作りアンチエイジングにも効果的。我が家では塩麹とか使ったり、麹、味噌は相性が良いなぁと思います。やわらかくなって美味しいです。

お米
お米はやっぱりパワーフードですね。
糖質制限ブーム?見たいのがあったのですかね?わからないですが。糖分が必要な時もやっおありあるなぁと感じます。僕の場合はですが、消化能力によるものなのか、リズムによるものなのか、夜にお米を食べすぎると翌朝が重く感じることが多く、夜は少なめにして、また胃腸が疲れていると感じた時や食材料理のタイミングとお腹の調子を見て、お米はおかゆにしていただいたりします。
梅干しとか味噌、おかかと食べるのも良いですね。

そんな食養?(なのかわかりませんが)も慣れるとなんか楽しかったりします。
何度も書きますが、僕の場合は演奏のコンディション、心身が良い状態だと音楽も制作もやっていて楽しいので、なるべく良い状態で過ごしたい。
ただそれだけのためなのですが、みなさまもよかったら◎


花粉症
花粉症対策は多分ほんといろんな人がいろんな実践をしてるなと思うんですが、全然ピンとこないのとか、どうなのだろ〜?見たいな効果がよくわからない時とかもありますね。実際自分も花粉症??だけど、大概は「あとは気力」みたいなことになって。最終的に鼻はかまない、涙出ても拭かないとか。「くしゃみは整体」とか。になったりします。それはそれで良いと思いますが。持論や曖昧さの回避を無視して(ある程度自由に書きたいので)面白半分ぐらいで読んでくださればと思います。

身体の状態や元々の性質などとも関わりがあるのだろうなと思い。この時期は乾燥も実はしているのとか、まだ暖房も使うし、冬から春の切り替えで、変化の中にあって。肌、皮膚とか粘膜を守って、潤いを保つというのは大切かもしれないなぁとこのところ思っています。目の酷使も腎と関係あるし、睡眠の状態も粘膜皮膚と影響したり。充血と乾燥が嵩めば、目も鼻も炎症を起こしたり、過敏になりその連鎖で、鼻水鼻詰まり、充血涙目、出たりするのかなぁとか。
なので先にあげた食材は良いのかも?
物理的に注意する以外では。
食事や養生の取り方も結構効くのでは。。。

日本のちえぐすりを見てみたらこんなのも↓

柿の葉茶
炎症物資の発生を抑える。
ゴマ油の鼻うがい
夜寝る前、鼻の奥に塗る。椿油、ベビーオイル等も良いとか。
ねぎ味噌湯
アリシン(ネギの白いところに含まれる匂い成分)は鼻詰まりに原因である炎症に聞くとか、アリシンは刻んで叩いたりすることで発生するそうで。
ネギを叩いてみじん切り、生姜をすって絞り汁、味噌こさじ1と合わせ。
湯呑みにお湯を注いで飲む。


土脈潤い起こる(雨水) 再放送 2024・2・23 

雪に代わってしっとりとした雨が降り始め、大地が湿り気を含み出す時季。「脉」は「脈」の俗字です。だいちも脈打つように生命があり、目覚め、息づき始める時。この時期はまだ気温も低く、霜や雪などが解けた水も乾きにくいため、「春泥」と呼ばれる土のぬかるみも特徴です。また、雪解けの頃に雪を割って咲く花という意味で名付けられたのが、サクラソウ科の「雪割草」キンポウゲかの「三角草」や「州浜草」の園芸名としても知られます。

イラストで楽しむ日本の七十二侯

番組でもお話ししましたが、春泥、雨が降って土が緩んできます。その中で虫や植物たちも準備を始める。この侯、古く中国の七十二候では「獺魚を祭る」(カワウソウオをまつる)という呼び名でもあったとか。

そもそも七十二侯は中国から日本に伝来した暦。中国古代の天文学による七十二侯では、雨水の初侯は「獺魚を祭る」でした。獺は魚をよく捕らえるものの、魚を岸に並べたあとなかなか食べようとしません。それが祭りの供え物のように見えたことから、獺が先祖を祭っていると言ってこの季節が生まれたそうです

日本の七十二侯を楽しむ
ー旧暦のある暮らしー

大きなくくり二十四節気は良いですが。
特にこの七十二侯は場所によって様々な変化があって当然じゃないかなぁと。そもそも季節を肌で感じたり、気づき発見することは「地域」ですらだいぶ違うように思うし。伝来してきたときに、またその後の農耕の暮らしとともに、旧暦とともに、日本で変化してアレンジされてきたわけだけど。それも列島の北と南、山間部と平野、海側、地域でかなり違うわけです。それが一般化されても同一の季節感覚としてくくられているとしたら。それは情報と経験、記憶を別の地域でも共有の季節感として認識した蓄積が結果として纏まったのかも?とか疑問があるのです。

数年前に遊び半分で自分七十二侯って無いのかなってSNSでやったことがありましたが、本来はそれかもしれませんね。季節は今、自分がいるところ。宇宙の変化であって地球の変化、自分の変化、そして隣人たち生き物、植物の変化と呼べるのかもしれません。

はんなり喫茶室 お茶の歴史②

はんなり喫茶室は娘(16歳)に番組へ寄稿してもらっているコーナーで、和のものこと、郷土料理、食べ物、お菓子のことなどを中心に、短く紹介しています。
内容をここに添付しておきます。

みなさんこんばんは。
前回はお茶の起源について調べて行きました、今回もその続きということで、まとめていきたいと思います。

茶は発酵具合や製法によって、緑茶や烏龍茶、また紅茶などと変化します。
日本茶として親しまれる緑茶やほうじ茶は、茶の葉が発酵する前に蒸したり炒ったりと加熱する不発酵茶だそうです。現在、不発酵茶の中でも特に飲まれているとされるのが煎茶で、摘みたての新茶を蒸して乾燥させて作られます。
ほうじ茶は煎茶をさらに炒って焦したものです。

平安時代に飲まれていた茶は、葉を蒸して丸めて団子状にした団茶というもので、解して煮出し、甘葛や生姜で香りや味をつけることもあったそう。

貴重ゆえ上流階級の間でしか飲まれなかった茶は、次第に廃れていきますが、鎌倉時代にテン茶(現在の抹茶)が持ち込まれ、戦国時代ごろから次第に嗜好品として広まりました。江戸時代には、庶民の間でも茶が飲まれるようになりますが、簡単な製法で加工した茶葉を煎じたもので、これが煎茶の原型と思われます。
ちなみにほうじ茶は意外と新しく、1900年ごろに売れ残った煎茶を美味しく飲むために焦がしたのが始まり。しかしそれまでにも記録はあるようで、焦げ湯と呼ばれていたとか。それでは良い夜をお過ごしください。

by Hannah


今回の選曲

今回のオンエアは「雨水」ということもあり、ふわっと雨にちなんだ選曲にて。

1:Ernest hood / Rain    
アーネスト・フッドはアメリカのスタジオミュージシャンなのだけど、このスタジオワークながら現代とは違う手作り感の環境音の臨場感や音の作り込みに夢見心地になります。ツィターという一般にはあまり馴染みのない楽器なのだけど穏やかな響きとアナログのシンセのエレピの配分が絶妙です。古くはジャズギターミュージシャン。50年代に車椅子の生活になり、スタジオ仕事をしながツィターを奏でたとか。

mix   Nujabes /  Raniny Back home. アルバムspiritual stateは好きでこの作品の中からよくかけているので、説明は割愛させてもらいます。

2: The Gentle rain /  Astrud Gilberto
ルイスボンファの曲ですが、アストラッド・ジルベルトが歌っています。
弾き語りをしていた時に時々歌った曲ですが、良い曲です。悲しいかなGoogleで誰の曲?と打つとアストラッド・ジルベルトの曲って出るんですね。
ハーモニー展開とか、メロディの動き方はさすがルイス・ボンファ。


3:Kiu喜雨・IsaGuitarra
自分の曲ですが、雨にちなんだ選曲の中で、選ばせてもらいました。
録音の時、実際に雨が降っていました。音の中にも雨の音が聞こえます。
雨の受け取り方は様々です。脅威、悲しみ、虚しさを表すときもあれば、優しさ、喜び、愛を提示することもあります。人間は勝手ですね。自然の現象なのだから本来そんなものはどっちでもないけれど。逆に考えれば喜びも悲しみも人間の作ったのものなのだからその中で表裏一体ということなのかもしれません。
この曲は歓喜というか喜び。
受け止めて、見上げた時の雨の姿です。

BGM  The Gentle rain minor key / Luiz bonfa  エウメールデオダード
前述のアストラッドバージョンでなく、ルイスボンファのギター、そしてストリングスアレンジではビヨーク作品にも参加したことのあるデオダードです。しっとり穏やかで、かつ壮大ですね。番組の中では時間の都合上選曲漏れしててしまったりする曲が出ることもあって、その場合はBGMで掛けてる時があります。「あとのラジオ」ではそれも紹介しっかりさせてもらおうかなと思います。

4:Over on 4th street / Pat Metheny
パットメセニー、実はあまり好みではないのですが。このアルバムや他に数トラックとっても好きな作品があります。このアルバムは4、5年前に僕の自宅の近所の珈琲屋「慈雨」で爆音でかかっていて。自分の聴いていたメセニーとは違う印象を受けたので入手しました。アコギ一本でただひたすらギターに向き合ってるのが想像できます。しかも使用したギターがバリトンギター。気をてらった表現が少なく、プレイ重視というよりは楽器自体の抑揚と響きに任せてる感じです。
そこが良かった。セルフカバー、他のミュージシャンのカバーも交えつつの好きな作品です。

今回の選曲としては「雨」に関連するタイトルではないですが、初めて聴いたのが「慈雨」ということ。ジャケットの写真が「雨とも雪ともつかぬバランス」のアメリカの夜の街の交差点の写真ということが、あまりにも今の季節感に個人的にフィットしていたので選曲しています。



ご清聴ありがとうございました。
また番組でお会いしましょう。

IsaGuitarra 拝




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