砂漠
突然の突風に
眼が開けられず
身体に当たる風が痛く感じる
風が治まり見ると
其処は
─砂漠?
風が痛いのは砂のせい
見事な迄に
空と砂だけの世界だ
「此処へ連れて来たのは、お前か?」
と手の中を覗き込む
先程、手で捕まえたのは
手の中に収まる程の
小さな白蛇だ
「この子、誰?」
と影の子が聞く
「切り捨てた私の欠片だ。
仲良くしてやって」
と影の子の頭に
小さな白蛇を乗せてやる
「白蛇なんて縁起が良いね」
と影の子が言う
私は
「縁起とは掛け離れた存在だぞ」
と答えた
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?