見出し画像

黒い獣

📌黒い獣①

私の体に纏い付く
雨の匂い

水気を振り撒き
歩くのだ

私が吼える事で
空から
雨が降るのだ

乾いた景色が
水気を含む

私は其処にいて
吐いた白い息が
天に登る先を
見続けているだけ

📌黒い獣②

私が吼えた後に
水音のする足音

見れば独り
雨の中に
歩き出した者が居る

雨雲を見てるのか?
我を視てるのか?

何方なのか…

我の姿が
視えるならば

雨の中に居たら良い

我の声が
聞こえるならば

ずっと
雨音だけ
聞いて居て欲しいのだ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?