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顔を見せぬ事で 感情を 気取られぬ様にし 色の無い布で 特色を出さない 幾重にも 布を重ねる事で 気配を隠し 砂埃で 人の臭いを消す 鴉が 揶揄いに来ても 静かにしているんだ だけど… 此の1輪の花だけは 色が目に付く強さであっても 薫りが強くても 僕は手放せないんだ
薄暗い部屋の 壁の中に閉じ込められ 僅かな穴から 何かの気配があると 声を掛けるんだ ねぇ誰か 其処に有る 一輪の花を取ってよ 触れてみたいんだ ねぇ誰か 甘い香りがするものが 近くに無い? とっても美味しそうな 香りがするんだ ねぇ誰か 此方に来てよ ねぇ誰か… ねぇ…
深い深淵に居る 私は 醜さを隠す様に帽子を被り 表情を見せたりはしない 私は此処で花を咲かせた ある時 私の前にリボンが落ちて来て 君から? なんて… 其のリボンを帽子に付ければ 此処に居る私を 君は見つけ出せるだろうか? 余ったリボンを 此の花に付ければ 受け取ってくれるだろうか
少しずつ侵食するように 小傷が増え痛みだし 少しずつ侵食するように ドロドロに腐りゆく 此の身が 少しずつ欠けていく 雑多な中に埋もれ 汚れて逝くばかりで もう、動けそうに無い 空からは 降りゆく刄が 無数の墓標を増やし続ける 何時か、我が身が朽ちた時 あの花を咲かせるのか?
描こうと思い モチーフとなる物を 並べてみる 花を活けたり ケーキを並べてみるが 思い描いていた構図に 成らずに悩む 何が足りない? 描くのは私なのに 描きたい事が 曖昧なまま