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あるイラストからの創作詩

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Twitterで絵を創作題にして書いた詩です 📌Twitterリンク先を貼ってあります
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#物語

物語         藤丸

手に取った本の雰囲気や 粗筋を読んで 情景が浮かび 引き込まれてしまったなら 読まずにはいられないのだ そうして 読みたい本と 読み掛けの本が 積み上がっていくばかりだ イサブロウ⤵️

物語

常に、読み掛けの本を 枕元に数冊の重ね 続きがある事に 心踊らせながら 眠りに付くのが 幼い頃から癖になっていて 完結するのが分かっていると 中々、最後まで読む事をしない だからかな? 僕が書く物語も なかなか 終わりに出来ないでいるのだ 藤丸⤵️

心の片隅

薄暗く狭い所で 知識を奪おうと、 感情を閉じ込めようと、 邪魔する者が居て 粘着質な態度で邪魔をする。 苦手なモノを抱いて 平気な振りの自分。 心にある華に 水を与えられず 彩りある華を 咲かせられ無い。 あらゆる、 思いが混在し 心に住まうのだ

食事

羽化する前の身の方が 其の身に 甘さが詰まっているのか? 其の身に 美味しさが 詰まっているのか? 未熟な身は どれ程の甘さか? 乾いた蛹の殻の中身は 芳醇な甘さか? 皿の上の小さき命 足りない栄養は 僅かな野菜と サプリメントで補い 其の命を頂くのだ

黒夜

僅かばかりの美しさは 花瓶に刺した花に残し 醜い心が 全身を舐める様に這いずり回り 硬い繭を溶かし 私の目を覚まさせる 目覚めに見るのは 何時も醜い私の心 起き抜けに 私の気分を聞いてくる 「不愉快よ」と 顔を上げずに答え 鎧の無い私と醜い心と 向き合い 会話するのは何時も夜

白昼

明るさの中では 繭を纏う様に 姿を見せない 硬い鎧で纏うように 見せる事をしない 心の醜くさも動かさず 眠りに着かせ 明るさの中で動くのは 小さき鳥と影だけ 小鳥の囀りと 小さき姿で 印象が残りにくい様に 後には 影だけが有ったと 思わせるのだ

骨と身

嫌味な思考が 脳味噌を腐らせ 不快な思いに 心臓が穢れる 汚染された食べ物で 胃を痛め 乾いた環境に 目が悪くなる 身体の柔らかな 腐りやすい 臓器や脳味噌を 取り除いたら この身体は、 骨と身だけしか残らない

明り取り

机も椅子も無い 石畳の冷たい床で絵を描く 筆に付けた色は 僅かな明り取りから見える 空の色 私の周りに有るのは 何も彼も土埃にまみれ 自分自身も赤茶色に 汚れてしまった 部屋から出たいのなら あの剣を使い 赤茶の錆色に 染まる覚悟がなければ 行く事出来ないのだ

縫合

亀裂は塞がれ 罅割れは縫合された 林檎が出れぬ程の 小さな出入り口に 鼠は姿を消した 小さな鼠の身に 見合わぬ程の強欲さ 残ったのは 鼠が齧った 転がり出された林檎だけ

亀裂

壁に歪みが生じ 亀裂の隙間から 転がり出たのは 1個の赤い林檎 壁の中には 美味しそうな 熟した林檎が 隙間も無く 沢山見える 鼠は出て来ぬ 他の沢山の林檎を 見上げ様子を伺い 考えをめぐらせる 転がり出た林檎は 戻される事なく 其処に有る

ツリー

クリスマスの日になって 慌てて描いたツリー 今更、遅かったかな?と、 笑って壁に描いた絵は 部屋の中で 唯一 明るく感じる

林檎

少女は 赤い林檎を 憂いの表情で見ては、 「此れは、  まるで人間の心臓の様ね」と、 少女は言う 傷が無い採れたての林檎 時が経ち朽ちた林檎 人の手で変形した林檎 其れぞれに姿や形で 此処に来るまでの 経歴が見て取れ 生き様に思える 少女の前に 赤い林檎が並べてある

腐敗が進み 悪臭を放ち 溶け出たモノは 不快な腹の中の 赤黒い器官 腐らせた血肉は 他のモノ達の栄養となり 新しく命が芽吹く ほら、其処にも 捥げた死者の脚に 木が芽吹く

ブレーメン

捨てられるか、 食べられる筈だった者達は、 泥棒達の棲家で 益々、老いていく ロバは積み肥の側で 身体を腐らせ 犬は何時の間にか 姿が消え 鶏は声は出ず 羽をバタつかせるだけ 猫は共に老いていく 仲間達を 毛繕いして 眺めているだけだ