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僕は 心の不安が起こる 種を撒く 此の世界の者達に 焦燥感を 抱かせ続けるんだ 空を飛ぶ 鳥達も灰色に染まり 元の色を無くした ザラザラとした感触が 心に不快感を 生み出す様に 僕は更に 烟る世界になる事を 願うんだ 灰色の 景色に染まれ どんどん 濃い灰色の 景色になれと…
薄皮を大きく広げ 身体に空気を含み彷徨う 私の手足が 風に流れる様に 長く伸び クルクルと 彼方此方に渦巻く 此の手足に 吸い付くのは砂ばかり 空を彷徨い 墨を吐けば 視えずにいた景色が 露わになる
不気味な星が 顔を出す 煙る景色の中 異形の物が 我が物顔で歩いているんだ 私は綺麗な 花を見つけても 花が壊れそうで 手を動かせず 触れるのを 躊躇ってしまうんだ 花の毒に 蝕まれてしまいそうで 花を恐れているんだ
濁った雨雲が 今にも雨を降らせる様な 気がして 雨雲を見て 傘を広げて 雨が降らないかと 誘ってみる 大きな水溜りの ヌメる様な土の感触に 足を そっと ゆっくりと 踏み入れる 雨が降れば 足に寄せて来る 水の波紋の中 其の時を セピア色の淋しげな景色の中 雨雲を見て待つ
日毎に空は だんだんと 紅く濃く染まり だんだんと 世界を燃やし逝く 生命有る者達が 身を寄せ合い 逃げ場の無い世界に涙する 遠くの空色も戻らない 灰になり 粉々に散り逝く景色 我が身が灰となって 消え逝くのは怖いだろうと 幼い子が 此の世界を見ない様に 抱き締める
砂埃が舞う中 目深に帽子を被り 口元も覆っている為に 進む先の景色が よく見えていない ただ、風が吹けば 薄っすらと 深い霧に包まれた街が見える 夕暮れの色と赤い砂埃で 街も空もオレンジ色だ 風が吹く間は 街に着けるだろう 風が吹かなければ 霧と砂埃の中に迷いそうだ