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てのひら

 交わるという強度がとても激しいもので、手をつなぐというささやかな力強さがかすんでしまう。
 それで、交わることばかりを求めてしまうのだ。

 この心に君を欲した時、最初に求めたものとは、そのような交わりではなかったはずだ。
 それがいつしか、激しいものでなければ収まりがつかなくなっている。

 どうすれば、あの日のささやかさへと立ち返ることができるのか?

 それは、過去へ戻りたいということではない。
 元々何をを求めていたのか。本質とは何だったのか。
 思い出し、歩み直すための探求だ。

 僕は何故君を求めただろう。
 君は何を持ち現れただろう。

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