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(メンバーシップ限定版)【Event】本田技研工業株式会社 東京オートサロン2024の立ち位置【連続企画】

 2024年1月12日から14日にかけて、千葉県千葉市の幕張メッセで東京オートサロン事務局(TASA)が主催する「東京オートサロン2024」が開催された。
本記事では、出展した企業を幾つか取り上げ、各社の様相を連続企画として描いていく。
第1回は本田技研工業株式会社の出展にフィーチャーしていこう。


環境に優しい自動車需要とメーカーとしての本音

 本田技研工業株式会社は、日本の自動車産業を今も支える企業の一つである。
傑作車として知られる「シビック」を始めとした多くの車を産み落としており、その中で着実に多くの車種がハイブリッド化を果たし、その一方で新型の水素燃料電池技術の開発に取り組もうとしているなど、その開発への意欲は多岐に渡る。


 そんな同社を語る上で、もう一つ忘れてはならない顔がある。
他の自動車メーカーと同じく、ホンダはレース競技においても妥協を許さない走りに拘るブランドとしての特性が強い。同社の培ってきた事業を、ホンダ・レーシングという分社を立ち上げて集約した事からもその傾向は見えてくるものであろう。

 しかし昨今の情勢下ではエンジンを搭載する自動車に対する風向きは厳しく、HVやPHEV、ひいてはEVこそが正解であると評価されがちな状況だ。
もちろん本田技研工業株式会社としても、そういった毛色の車両は開発や販売を進めている。

そんなある種自動車産業に対する「閉塞感」が漂う中でホンダが打ち出した新車種が「シビック RS プロトタイプ」である。


6速マニュアルミッションMTガソリン車という「通好みの大正解」

 シビックを語る上で避けて通れないのが、その主力となる市場である。
シビックは昨今、日本よりも米国での売上が強い車両であった。
元々日本の大衆車として愛された同車だが、時代の流れも消費者の好みを変容させてしまった。
今や日本における売れ筋はSUVや軽自動車、ミニバンといった車種に移り、クーペやセダンといった車種は人気に陰りを見せている。
そして自動車の大半がオートマ車となっているおかげで、MT免許を持っていれば奇異な目で見られる事も多い。

 そういった潮流にホンダは待ったを掛けたのである。
このシビック RS プロトタイプは「6速のマニュアルトランスミッション(MT)専用グレード」で「ガソリンエンジンを搭載する」車両だというのだ。

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