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【Column】Japan Shrineアップデート　懐かしい桜咲き乱れる通り雨の春

IR Visions

　VRSNSであるVRChatにて、2024年2月20日にワールド「Japan Shrine」のアップデートが行われた。
今回のアップデート仕様では桜咲く春の時期ながら雨の降りしきる境内となっており、なんとサプライズの仕様との事である。

なお、今回の雨模様は短期間で終了する事もRootgentle氏は語っているため、定期的に同氏のPostをチェックしワールドアップデートの情報を見ておくと良いだろう。


桜模様のノスタルジア唆る風景

　今回は雨の境内という事で、やや桜色ながら暗さの交じる空模様となっている。
それでも先日のSpring版へのアップデートという事で、境内の至るところに桜が咲いている。
先日の冬の深夜、篝火が設置されていたバージョンとはまた違う独特の春の匂いを感じさせる雰囲気である。

　バーチャルの世界で天気は関係ないとはいえ、雨の天候を昼間の時間帯という設定で実装しているワールドはそう多くない。
例えばネオンライトや反射表現の一環として夜間での雨の表現を行っているワールドはあるものの、昼間においては暗くなる印象も相まって雨の表現というのは途端に難しくなる。
視界を遮らない程度の雨の降り方を設定した上で、負荷も考慮にいれなければならないからである。
そんな雨の表現で驚くべきは軒から雨のしずくが伝って落ちているという点である。
いわゆる「ただ雨を降らせる」というだけでなく、きちんと「雨が降っている」という事のリアリティを出しているのである。
また参道の一部では石畳がほどよく濡れて提灯の明かりをうっすらと反射しており、その幽玄さの表現も作者であるRootgentle氏の腕の見せ所といっても過言ではない。

おうどんとおにぎりのハイクオリティな誘惑

　先日Rootgentle氏はBoothにて「[VRChat対応]天ぷらうどんセット」というアイテムセットを公開した。
今回久々に筆者が同ワールドを訪れた事もあって、その洗礼を一身に浴びる事となったのである。

　Japan Shrineにある食堂はこれまで天ぷらやおにぎりが設置されていたが、それらは移動不可能なオブジェクトとして存在しているだけであった。
しかし今回ピックアップ可能な形で天ぷらうどんやきつねうどん、おにぎりが追加されたのである。
もちろんそのクオリティの高さは言うまでもないだろう。

デスクトップモードで入っていた筆者ですらだいぶダメージを受けるほどであったのだから、これをVRモードで直視した場合は与える影響の大きさが計り知れない。
まして神社の境内でこういった物を頂くシチュエーションとなれば、食欲を刺激する事請け合いだ。
是非HMDを外しておにぎりを握るもよし、コンビニに買いに走るもよし、スキルがあればうどんを打ってもいいだろう。
もちろん、ご近所の迷惑にならない時間帯で。

懐かしき桜の思い出とこれからの思い出作り

　今回Spring版という事もあって、神社の境内には余す所なく桜が咲き誇っている。
大小様々な桜の木がある中で、拝殿左手奥側の一際大きな御神木の様な桜の木の存在感は別格と言えるだろう。
注連縄の巻かれた霊験あらたかな雰囲気すら漂うこの桜の木の近くにははしごも用意されており、なんと拝殿の屋根に登り縁に腰掛けたり屋根の上から名乗りを上げたりすることが出来る。
屋根の上から境内を見渡せば、通路とはまた違った趣ある景色が見えるというものである。


　そして何より桜の木といえば、同氏がかつて公開していたSakura Hirobaといった桜の木が象徴となっていたクオリティの高いワールドを思い出さずにはいられない。
2018年初頭のVRChatにおいてユーザーの集う場所の一つであった桜の木にまつわる記憶というのは、6年経った現在であっても変わらずにその色合いを残しているものである。
もちろんそういった要素を抜きにしても、様々な大きさの桜が咲き誇り花びらの舞い散る境内と雨のコントラストは非常に美しい。

このワールドのVRChatを始めたてのユーザーの手を引いて訪れるには絶好の場所であるし、始めたてで右も左も分からず参ってしまっているユーザーも是非このワールドを一度訪れてもらいたい。
この春の時期の桜の美しさは、きっと心に響くものであろうから。

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