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ぴむのおしり

ぴむのおしりとは、
明日で28年の付き合いになる。

「ポケモン」というゲームが発売されると、
当時のテレビの子供番組の合間のCMで、
なんとなく知った。

友達の家で、何やら小さいカードを見つけ、
そこに描かれていた、コダックやピカチュウを、

なんだかとっても可愛いなあ!
なんなんだこいつらは。
と感じたあの日は、確か外は曇っていた。


ところでこのおしりを見てほしい。

萩の月に似ている


もう28年見続けているが、一向に飽きる気配がない。

28年前の10月の中旬頃、このおしりの持ち主は、駅ビルの中の雑貨屋さんの入口に、木でできた椅子の上、「ぽてん」と、鎮座していた。
座らされていた。かな。とにかく目が合った。

「なんか可愛いのが置いてある」と、
エスカレーターを登りきる前から感じていた。
エスカレーターを登りきったところで、
このおしりの持ち主と目が合った瞬間を、今強く思い出した。

ポケモンが流行りだしたあの秋の空気を、よく覚えている。
あれから28年も経つが、ふくふくとした可愛いおしりは、全く変わらない。


「もうすぐ私は誕生日だ!プレゼントはこの子がいい。確実に連れて帰る。」と、
駄々をこねた訳でもなく、当時の私はその場で母親に、淡々とプレゼンテーションしたのであろう。

すんなりいった記憶がある。
きっと、真摯な姿勢があったはずだ。

蒸しパンみたいだなあと思う

親しい友人と家族には、「俺に何かあったら、ぴかと一緒に燃やしてくれ」と伝えてある。

とてもこのおしりを愛しているし、虐待、不登校、一時保護施設といった、強めのトラブルに見舞われた、小さい頃の私は、ぴかがいなかったら、いったいどうしていたのだろう。

今私が笑顔で過ごせているのは、ぴかといっしょにいた事で、頑張れた事が、とても大きい。

ぴむといっしょに戦った、私の心の中にいる、当時の自分を、「お前はサトシより強いんだ」と、最近は、撫でてやるようにしている。



俺はゆうた。
この子は相棒のぴむ。
これまで、色々なことがありました。

これからも、たくさん一緒に、笑っていこう。

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