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舞台『迷子の時間-語る室2020-』レポ・感想

私は知らない。
でも、思い出す。
想像することは、
知らないことを
思い出すことだ。

PARCO劇場にて公演中の『迷子の時間-語る室2020-』を観てきたので、忘れないうちにレポと感想を残しておく。前半に劇場や物販について、後半に舞台の内容について触れていく。物語についてのネタバレはできる限りしないが、前情報無しで観劇したい方は閲覧しないことをおすすめする。また11/9(月)14:00公演での情報の為最新ではないのでご了承を。

PARCO劇場に入りまず最初に手首の検温、次にチケットを係の方に見せ自分でちぎって渡す。物販は入ってすぐ。自分の場合は14時開演で13:45頃に到着し物販の列に並んだが、座席表で言う3扉過ぎまですでに列が形成されていた。が、進行はスムーズだったので問題なくパンフレットを購入できた。(逆にこれ以上遅いと公演前に購入できないかも?)クレジットカードは使えないのでご注意。公式からはQRコードと交通ICカードでの支払い推奨。案内が机の上に置いてあるので、商品と支払い方法を指差して伝える。バッグは2色。写真で見た感じはキャメル色が可愛いと思っていたが、結局はパンフレットと同じグリーンにした。サイズも大きくマチもあり、しっかりとした作り。デザインもシンプルなので普段使えそう。

座席だが、すでに感想が上がっているように全体的に近い。また段差が付いている為見やすい席が多いと思う。舞台があまり高くないこともあり、演者が非常に近い。前の方の席でも首が疲れにくい。尚場内の温度は高め。自分はノースリーブのエアリズムに薄いセーターという冬を舐めた服装で行ったが、丁度いいくらいだった。着込んでも脱げる服にしたほうがいいかもしれない。

演者の動きについては上手下手中央とメインがそれぞれ動く印象。一番多いのは当たり前だが中央。下手のほうがいい、ということも事前に聞いたが、恐らく序盤や出番がないときに舞台上で待機している際に、下手に演者がいることが多かったからかな?と思う。あくまで体感。それぞれ席によって表情が見える見えない、はあるものだからあまり気にしなくてもいいかと個人的に思う。今回前方上手にいたが不満はなかった。舞台観劇あるあるだが、時間と金さえあれば上手下手中央前方後方全て座席取れるのが1番なので…

パンフレットについて。紙も良くページは読み応え有り。前川氏と出演者それぞれのインタビュー、7人の座談会、入江監督インタビュー有り。亀梨くん単品の写真、BBQ(木箱のハマグリ見れます!!)、稽古中の写真掲載。少なくとも亀担は買って損はなし。

以下舞台の内容や感想について書いていく。

亀梨くんの声は高めで気の抜けたような感じ。事前に聞いていたように、「亀梨和也を消す」ような田舎の警官。実際に目にすると、顔は亀梨和也なのに雰囲気が違うから驚き。そして前述のように舞台が近い。演者が近い。その為最初は脳が処理しきれず混乱したものの、ストーリーが進むにつれスっと世界観が自分に入ってくる。

所謂タイムトラベルもので、現在と過去が交差しながら進行していく。最初は難しいのかと身構えてしまったが、演者が状況を解説しながら進むので話が追いやすかった。後半になるにつれて、徐々に物語が繋がっていく様が気持ち良い。伏線の回収が見事で、「タイムトラベルの舞台で観たいのはそうそうこれ!」と言った感じ。

SFというジャンルに入るが、メインはそれではない。これはあくまで困難に直面し迷子になった人たちが、自ら未来を見つめて歩き出す物語だと思う。「時間」が軸になっているが、時間が解決するのではなく、ゆっくりな歩みでも自分で前を向いていく物語。劇的な変化も結末もある訳ではない。この後も物語は日常のまま続いていくのだろう、という余韻がある。

出演者7名のみとキャラクターは絞られており、一人一人の演技をじっくり観ることができる。それぞれリアルさがあり、SF設定があるものの違和感なく見ることができた。前述の通り、メインはそこではないからだろう。

中でも印象に残ったのは霊媒師とガルシア。非日常的な役割を担うキャラクターでもあり、松岡広大、古屋隆太両氏の演技が光る。松岡くんの身体能力が凄いのでご注目。霊媒師のうさんくささも大変良い。

またセットや小道具にも注目したい。セットは約2時間ほぼ変わらない。交番が動くくらい。演者が小道具を動かし配置や使い方を変え、同じセットながら異なる場所を演出する。後半、7人全員が舞台にいて小道具を大きく動かすシーンがあるのだが、その際の雰囲気がとても良かった。カンパニーの仲の良さ、いい意味でリラックスしている空気があることを感じた。

照明の演出も美しい。特にある場面で夕霧と光のトンネルを再現するシーンがあるのだが、前方の席にいると、自分もその世界に迷い込んだような錯覚に陥る。後方の席だと光のトンネルが綺麗に見えるのではないだろうか。

カテコでは亀梨くんの綺麗で深いお辞儀と笑顔を見て語彙力なく「亀梨くんだ〜!!!」と感激してしまった。カテコでもカンパニーの和やかな雰囲気を感じ、良い時間を過ごせているのだろうなと思った。全員病気怪我なく千穐楽まで駆け抜けて欲しい。

以上簡単だが残しておく。久々の現場、非常に楽しかった。少しでも早く、生でエンタメを楽しめる環境が戻ることを心から祈るばかりである。


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